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印刷関連市場、資材統計から見る景況

主要印刷市場および製版印刷材料の出荷販売量から見る2008年4 月の景況報告。


市場動向

4月の書籍雑誌推定販売金額前年比は2.3%減で、3月の6.4%減に対しては小幅な減少であった。書籍が1.5%減、雑誌は2.9%減である。書籍は携帯小説の伸び悩み、教養新書減少の影響が大きいという。近年の売れ筋の代表格だが、以前に触れたように今後の書籍市場の基盤になるかどうか注目していたが、やはりということかもしれない。雑誌は分野を問わず低調で、値上げの影響との見方もあるようだ。2008年に入って、書籍、雑誌ともに返品率が上昇している。

4月の広告業売り上げ前年比は3月(1.1%減)よりも落ち込んで3.4%減になった。マスコミ4媒体が大幅減少(7.8%減)になったからである。テレビの6.0%減も大きいが、新聞が16.5%減と大幅に落ち込んだ。雑誌も6.0%減である。SP関係では、SP・PR・催事企画が7カ月連続で前年を上回る1.8%増になったが、ほぼ同規模の折込・DMが2.1%減になり帳消しになってしまった。交通広告は3カ月連続プラス(2.4%増)、屋外広告は6.7%減。インターネットは、マスコミ媒体をしり目に再び20%以上伸びた。

仕事の状況

4月の一般インキの出荷販売量前年比は2.3%増であった。3月の6カ月振りの前年割れから回復した。4月は、3月に比べてすべての分野で改善している。主力の平版インキは、3月の6.4%減に対して4月はマイナス幅が縮小して0.2%減とほぼ前年並みに回復。グラビアインキが3月の1.0%減に対して4月は6.4%増と大幅に回復、これがマイナスからプラスへの転換に大きな役割を果たした。金属インキは好調で7カ月連続のプラス、フレキソは逆に4カ月連続のマイナスである。

4月の印刷・情報用紙の出荷販売量前年比は4.9%増と大幅に前年を上回った。インキの動きと合わせて見ると、需要要因もあるだろうが次の紙価格上昇が避けられないと見ての手当の要素が大きいのではないだろうか。微塗工紙の前年比は21.3%増である。塗工紙もコート紙、軽量コート紙はそれぞれ4.6%、5.5%増と大きく伸びている。非塗工紙は全体として低調で2.8%減であった。フォーム用紙は前年割れ(2.5%減)、包装・紙器関係は2%増で順調に伸びた。

(JAGAT info 2008年 8月号)

2008/08/23 00:00:00


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