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パーソナル写真集Photobackの用途展開

Photoback(フォトバック)は、写真などのデジタル画像をWebサイトにアップロードして編集するだけで、1冊からリーズナブルに写真集を作成できるサービスで、コンテンツワークス株式会社が提供している。NTTコミュニケーションズ株式会社ではこのサービスと連携し、独自のビジネスを展開している。コンシューマ営業部 セールス&マーケティンググループ 担当課長 吉田利一氏にビジネスの概要と展開について伺った。

オンラインストレージサービス、cocoa(ココア)

cocoaとは、同社が提供する2ギガバイトのオンラインデータ保存スペースをパソコンからでも携帯電話からでも自由に使えるコンシューマー向けのオンライン・ストレージサービスで、デジカメデータやワープロなどで作成したデータを自分専用に保存したり、家族や友人と共有したりすることができる。 単にデータを保存するだけではなく、スケジュールやダイアリーなどの機能を付加することで、写真や日記、その日の行動を蓄積・共有することを可能とした。

また、パーソナル・ソリューションをより一層推進するため、保存したデータをさまざまなシーンで活用できるよう、提供機能の拡大を検討した。そこで、コンテンツワークス(株)が提供するPhotobackを知り、cocoaと連携させることにより、パーソナルアルバムのサービスを展開することになった。

パソコン教室との連携により普及

当初、ユーザーにコンシューマー用のストレージサービスと説明しても、なかなか伝わらないという問題があった。どのように、コンシューマーに普及させるかということについて、自社だけでなく、どこか違うチャネルでも売れないかと検討したところ、パソコン教室で、個人の写真アルバムの授業を展開されているという情報を入手。そこでパソコン教室と組んで、cocoaとPhotobackを組み合わせた授業を推進した。今では、それが成功事例の一つになっている。

パソコン教室への導入の経緯については、NTTコミュニケーションズからパソコン教室に出向いて、「cocoaとPhotobackをセットにした授業を展開しませんか?」と持ち掛けたことによる。ユーザーに一層分かりやすくするためにcocoaとPhotobackの利用の仕方についてのマニュアルを作った。また、いろいろな使い方ができることを伝えるために、サンプルの写真集を作り、制作マニュアルを渡して授業にしてもらうことを持ち掛けた。 パソコンスクールの多くは、デジカメを使った授業を開いていることが多く、習っている人の年齢も比較的高い。そのためデジカメを活用し、パソコンを趣味にしている方をターゲットとした。

当初、そうしたターゲットにストレージを教えるというのは非常に難しかったが、Photobackが入ることによって、より身近になったと言える。ストレージに写真データをためておき、旅行などカテゴリーごとにある枚数まできたら一気に製本するという授業展開ができるようになったからである。今では、大手パソコン教室でPhotobackの存在を知らない教室はないほどにまで成長した。

高リピート率の利用

ユーザーも教室へ通っている最中は、一つの課題としてPhotobackに触れるのだが、スクールを離れて以後のリピートも高くなっている。スクールを卒業後も、cocoaを使えば、いろいろな楽しみ方があるということを、営業による2次提案としてユーザーに伝わるようにしている。

例えば、友達の携帯にデジカメで撮った写真を送信できるということを伝えている。写真データをリサイズするのは難しくて、携帯だと送れない場合が多い。しかし、cocoaを利用すれば自動的にリサイズしてくれるので、どの機種の携帯電話でもサイズを合わせて見えるようにすることができる。そして、そうした使い方を知ってもらうことで、新しい使い方によりリピートにつながることが多い。

今後は個人用の写真集だけでなく、自動車の写真集や学校のアルバムなど比較的小ロットでオンデマンドに対応できる写真集についても提案していくことも検討している。

(「プリンターズサークル」2008年9月号より一部抜粋)

2008/09/19 00:00:00


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