C1のセッションはアドビからのExtremeの説明である。しかし当日の同社の説明は,PDFを中心とした広い意味でのデジタルパブリッシングが中心だったため,C2以下のセッションとのつながりを考えて,ここではモデレータの説明を元にExtremeを概観しておく。ただし,アドビ社の説明は,Acrobat4.0を使ったPDFの高解像度出力やPressReadyの説明など多岐にわたり,最新情報も盛り込まれた興味深いものだった。これは近いうちに別にまとめたい。
@PostScriptとPDFの両方を入力フォーマットとして受け付けること。ただしシステムの内部フォーマットはPDFを使う。
APDF生成にはアドビのノーマライザを使うこと。
B面付けや最終段階での修正/変更ができるよう,PDFファイルを見,編集できること。
Cワークフローと各処理のコントロールにはPJTFを使うこと。
DPostScript3 RIPあるいはアドビのプリンタJTPをレンダリングに使うこと。
ノーマライザはAcrobatのDistillerと同様,DTPソフトなどで作ったPostScritpファイルやPDFファイルを,そのExtremeシステムで処理できるよう,いわば最適なPDFに変換する役割を持つJTPである。これはC2で登場する3社のExtremeシステムすべてがアドビが提供するノーマライザを使っているが,ただしそれぞれ変更を加えて差別化/最適化をはかっている。また,レンダリングは,今までの感覚だとRIP内でインタープリット後に行っていた処理だが,Extremeでは始めにノーマライズ(=PDFへのインタープリット)が行われるため,最終出力の直前にPDFをラスタライズし網点化する処理をレンダリングと呼ぶようである。従来のRIPをオープンにして機能を分割し,その間に各種のプリプレス処理をはさむというイメージだろうか。プリンタJTPとはアドビのレンダラをJob Ticketでコントロールするようにしたものである。また,上記の条件には出てこないが,アドビは各JTPをコントロールし動きを調整するためのシーケンサJTPとコーディネータJTPも提供している。
以上を基礎知識として次はC2「メーカーからの提案」の話になる。
2000/03/03 00:00:00