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プロ用デジカメの機構/方式

「プロフェッショナルデジタルフォトへの誘い」 その2

 画像センサにはCCDが最も広く使用されており,通常のフィルムのようなエリアセンサ方式と,スキャナのように走査するラインセンサ方式がある。さらに,カラー画像を取り込むための色分解フィルタの使い方によって,単板式,3板式,ワンショット,3ショットなどの方式がある。
 コンシューマ用途のデジタルカメラはすべて単板式で,エリアCCDの表面にRGBの3つの色分解フィルタをもっている。一方,プロ用のデジタルカメラは用途によって,方式が使い分けられている。ワンショット型は単板式と3板式の2方式がある。

@単板式

 1枚のCCD受光部をもつカメラで,ワンショット撮影による動きのある被写体でも撮影ができる。しかしエリアセンサであるため,実用カメラでは最大画素数はCCD方式で600万画素,FT方式で1000万画素程度である(天体望遠鏡用ではフィリップス社が6600万画素のCCDを制作した)。解像度を得るためにRGBの各画像を演算に利用するので,特に宝石などの製品を撮影すると,細かなキャッチライトに疑色やモアレが起きる。

A3板方式

 RGB各々専用のCCDを用いており,ワンショット撮影ができる。しかし,CCD前面に色分解を行うダイクロックミラーのブロックが来るので,長いカメラバックを必要とし,短焦点レンズは一眼レフ用広角レンズと同じく,レトロフォーカス設計が必要になる。また,CCD前面幅の狭い光路ができるため,ビューカメラ(蛇腹方式のカメラ)などで行うアオリ撮影ができないなど,使用に制約がある。しかし疑色は原理的に起こらない。オリンパスが開発している420万画素のCMDを3枚用いたSHD-S2が,これに当たる。

Bマルチショット

 1枚のモノクロCCDと,外付けのRGBフィルタターレットなどを用いて,RGB各1回ずつ,時間間隔をおいて撮影するタイプである。リーフ・ボラーレのように,大きなフィルタターレットを撮影レンズの前で回転させるものと,メガビジョンT2のように,カメラバックメカの中で切り換える方式がある。動く被写体の撮影はできないが,3版式のように疑色の心配がないし,カメラバックは短いので,中判以上のカメラバックとして利用しやすい。

Cスキャニング方式

 ラインセンサ型のCCDを用いて,カメラバック内でスキャニングする方式である。長露光時間が必要で,動きのある被写体の撮影はできない。さらに,床面がしっかりして振動を伝えないスタジオ向きではあるが,中判以上のスタジオカメラバックに使用して,最も高解像度を得ることができる。4×5インチのビューカメラ用のPhaseOne製PowerPhase FXは,実に1億3230万画素(1万500×1万2600)でキャプチャできる。

その3「デジタルカメラに求められる特性」へ続く

2000/04/25 00:00:00


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