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Webがビジネスモデルを変える

Webは情報媒体以上のものであることを知っておかないと、Webに関したプロジェクトは成功しない。Webサイトはビジネスの競争を激しくさせる。そのメリットは、24時間いつでもビジネスできるWebサイトは、コストのかかる営業所を必要としない。潜在的な顧客を発掘したり、既存の顧客により便利なサービスを提供することもできる。利用者にとっては、時間や場所に拘束されずに、必要なサービスを好きなときに利用することができることなどがあげられる。

 旅行をする場合、代理店へ足を運んで、航空券の空席情報を確認するよりは、リアルタイムに何回でも検索できるWebのほうがはるかに便利である。特に旅行サービスのサイトでは、チケットのみならず、現地情報や障害保険など旅行に関連するより豊富な情報を掲載しており、現在ではそれをいかに検索しやすく提供できるかなどについて、各社が競い合っている。さらに情報の検索だけでなく、ツアーや航空券、宿の手配などを直接オンラインでやりとりできるサイトも多くなっている。

 オンラインの株式取引は、大手証券会社も早期から参入しており、豊富な情報量と知名度を背景に、大きく業績を伸ばしている。一方、ネット取引を中心としたオンライン証券会社は、営業所を設置しないことでコストをおさえて、株式取引手数料の自由化にともない割安な手数料を設定している。さらに個性的で使いやすい取引システムを工夫して、大手証券会社と差別化を図っている。オンラインの株式取引については、過去、システムダウンなどのトラブルも発生したが、「現段階でシステムトラブルの発生ををゼロにすることは難しい。逆にシステムに障害が発生したときに、いかにその情報を迅速に公開し、対応していける証券会社かということが重要」と日本オンライン証券 経営戦略担当 臼田琢美氏は語る。

 オンライン教育は、場所や時間の制約にとらわれず、個人のレベルや理解するスピードにあわせた効率的な教育システムとして注目されている。コンピュータやシステムの専門知識の習得や認定試験対策の講座、語学関連の分野からサービスが始まっている。

 このように、情報の鮮度がキーとなる金融や、日々空席・空室状況が変わる旅行関連、個人に適したトレーニングが求められる教育分野については、特にWebを利用したビジネスへの期待は高い。ここでは、この3つの各分野について充実したサービスを提供するWebサイトについて紹介する。

【旅行サービス】

■旅の窓口 http://www.mytrip.net/
豊富な宿泊情報・観光情報を紹介し、オンラインでの宿泊予約手続きや 旅行計画の作成など、旅に関する便利な機能を無料で提供している。登録会員は35万人を超える。

■JTB INFO CREW http://www.jtb.co.jp/
国内旅行や海外旅行のツアーやホテルの検索ができる。会員登録(無料)をすればオンラインでチケットの予約することも可能。旅の情報やJTBの出版物も案内している。
また、JTBではソフトバンクグループと合弁で「たびゲーター」を設立し、5月にサービスを開始する予定。ネット上の旅行代理店としてEC機能を強化し、他の旅行代理店の商品なども掲載していく。

■Yahoo! Travel http://travel.yahoo.co.jp/
 海外のツアー、航空券、ホテルなどの情報を国別に、日本旅行、H.I.S.など約30社の旅行代理店が取り扱う商品の中から検索することができる。気に入ったホテルなどが見つかれば、表示されている旅行代理店へ連絡する。世界の天気やイベント、海外特派員のレポートなど鉄各国の役立つ情報も掲載している。

■ISIZE TRAVEL http://www.isize.com/travel
海外旅行のツアーをはじめ、格安航空券やホテルの情報を参照してオンラインで購入したり、レンタカーやイベントの予約をすることができる。地域や日程から格安航空券などから検索することもできる。国内の宿検索、キャンプなどのレジャー情報なども掲載されている。

■e travel http://www.etravel.co.jp/
 航空券手配が可能。海外旅行の航空券、ホテル、ツアーの検索と予約や、国内旅行の航空券、ツアーの案内、空席状況、フライトスケジュールなどを調べることができる。ジャルパックが運営する運営サイトということもあり、直接割引運賃の航空券手配も可能である。

【オンラインの証券取引】

■日本 オンライン証券 http://www.kabu.com/
自社で日本の株式取引に適したオンライン取引システムを開発し、そのシステムの使いやすさには定評がある。様々な条件設定をして、日中に相場が見られない人でも動向に応じた売買注文ができる「kabu.navi(カブナビ)や、登録銘柄の目標値に達したら電話、携帯電話、メールなどで知らせるトリガーサービス「kabu.call(カブコール)」などがある。国内で初めて逆指値」による株式注文へも対応した。支店はもたず、個人顧客を主なターゲットとしている。

■松井証券 http://www.matsui.co.jp/
支店を閉鎖してネットでの取引を中心に展開する松井証券のオンラインサービス名は「ネットストック」。法人顧客と個人顧客を対象に、国内株式の取引、オプション取引、中国ファンド、投資信託などの取引を行うことができる。企業の決算情報やマーケット動向などの投資情報を提供し、登録銘柄が目標値に達するとメールで知らせる「トリガーメールサービス」などを利用することができる。

■マネックス証券 http://www.monex.co.jp/
ソニーの出資を受け、ゴールドマン・サックス証券の元重役が社長を務めるマネックス証券は、1999年4月に設立され10月から取引を開始した。対象は個人顧客をメインに、ネットワーク時代にあった新しいビジネスモデル作りをめざしている。取り扱い金融商品は国内株式と国内外の投資信託。ネット取引の手数料は1000円から。

■野村証券 http://www.nomura.co.jp/
「野村ホームトレード」は、注文の受け付けを平日・土曜日 午前6時から翌日の午前2時(日・祝日 午前8時から翌日午前1時)と営業時間外も利用することができる。株式取引や投資信託などの取引が可能で、資産管理のサービスとして、投資情報や取引明細、資産分配状況などをWebで確認することができる。株式情報も提供している。

■大和証券 http://www.daiwa.co.jp/
「ダイワダイレクト」では、国内株式や投資信託、MMFなどの投資ができる。オンライン株式取引の口座を開くと、残高紹介や取引状況などをWebで確認することができ、国内外の株価指標や為替動向など投資情報を無料で利用することができる。サービス時間は平日午前5時から翌日午前3時まで、土・日・祝日は午前6時から翌日午前1時まで。iモードによるオンライントレードへも対応。

【オンライン教育】

■富士通ラーニングメディア http://www.flm.co.jp/
企業や個人向けに、コンピュータを中心とした様々な研修コースを提供してきた同社では、オンライン教育として「KnowledgePool ONLINE 日本語サービス」を提供している。Windows2000をはじめ、java、VisualBasic、UNIX、パソコン検定対策講座、英語などのコースが用意されている。掲示板とメールを中心とした講義システムで、使用教材は講義により、Web教材、CD-ROM教材、本の教材が使われる。

■日本HP http://welcome3.hp.com/country/jp/jpn/welcome.htm
日本HPの「E-Learning-On-Tap」はインターネット上でインタラクティブなオンライン教育環境を提供する。日本HPが提供するインターネット上のバーチャル会議センターで,会議室をレンタルし,そこに集まって会議や社内教育を行う。形態は、Webを利用したバーチャルクラスルームによる「HPVC」(バーチャルクラス)と、コンテンツ管理サービスによる非同期型教育の「HP-CMS」(コースマネージメントシステム)の2種類。

■NRIラーニングネットワーク http://nettutor.nri.co.jp/
NRIラーニングネットワークは野村総研グループの情報技術教育専門の会社。イントラネットを活用した法人向け教育システム「NetTutor」サービスを提供している。「情報処理試験」「MCP試験」「TOEIC TEST」の3つの教材のほか、顧客の要望により教材を追加するなどカスタマイズも可能。

■ベネッセコーポレーション http://www.benesse.co.jp/
幼児から小学生、中学生、高校生までのコースがある進研ゼミでは、新たに中学2年生と中学3年生を対象としたネットチャレンジコースを設けた。従来の本の教材のオプションとなるコースで、CD-ROM教材の利用や、質問を添削の先生とメールでやりとりしたり、メンバー向けのコミュニティサイトなどが用意されている。ネットチャレンジコースを受講している学生は、従来の紙だけの通信講座の学生よりも継続率が高いという。

■IQ3 http://www.iq3.co.jp/
オンライン教育のサイトではないが、社会人教育のためのポータルサイトなので、参考までに紹介する。
IQ3では、経営、マーケティング、語学など社会人をターゲットとした教育コース(通信教育、通学コース、オンラインコース)のディレクトリを用意している。受講したい分野の検索を行うと、コース名や学校名などの情報を参照することができる。(2000年4月から開始された同サービスは,2001年5月に利用者の伸び悩みなどからサービスを停止)

(2000年5月16日 JAGAT 通信&メディア研究会
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2000/05/16 00:00:00


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