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CTPと歩調を合せるデジタル校正用インクジェットプリンタ

(JAGATのドルッパ情報はここへ)

drupa2000では、特に海外メーカーが何機種かの大サイズ(VLFタイプ)CTPレコーダーを出展したが、これに伴ってカラープルーフ用途のインクジェットプリンタも大サイズ対応してきた。例えば62インチ(157cm)幅の武藤工業製FALCON RJ-6000-62をベースにした機種がいくつか発表された。また、クレオサイテックスのIris43WideやアグフアのSherpa2(シェルパ2)、など、用紙反転機構を付けた両面機も機種が増えて、海外における両面プルーフへのニーズの強さを感じる。この分野では海外においてはHewletPackard(HP)のDesignJetシリーズが大きな市場を握っている。
インクジェット方式には、必要なインク粒しか飛ばさないドロップオンデマンド方式と、インク粒子を常時発射し電荷によりジェット方向を制御するコンティニアス方式がある。 ドロップオンデマンド方式は、さらにEPSONなどのピエゾ素子による方法と、インクを瞬間的に加熱するHPのサーマル方式およびキヤノンのバブルジェット方式がある。

注目製品の一つがEPSONがdrupaに合せて投入してきた新製品、STYLUS PRO 9500、同7500であろう。国内ではPM-9000C、同7000CとしてCTPユーザーに支持も多いインクジェットプリンタをベースに開発された、顔料インク専用モデルである。新開発されたインクは微粒子化して、さらに表面をレジンコーティングした水系顔料インクである。従来からローランド ディー.ジー.や武藤工業のようにEPSONからヘッドなどの供給を受けて顔料インクを搭載する機種もあるが、EPSONが開発した顔料は粒子径をサードパーティー製の数分の一以下に微粒子化することで、水性溶媒中で粒子がブラウン運動できるまでになっているという。

(追加情報、6/27EPSON発表にリンク)
・STYLUS PRO9500などの新技術の名称はμ-CRYSTA(ミュークリスタ)技術、プリンタの名称はMC-9000(B0)、MC-7000(A1)、MC-5000(A3)
・0.1μm径の顔料系水性インク技術説明(樹脂コート技術や色安定時間グラフなど)
・耐光性は屋内200年

顔料粒子にコーティングしてあるレジンの効果は、印刷後に顔料から分離したレジンがインク面をカバーすることで、耐摩擦性や光沢が向上である。 さらに顔料の採用によって、染料インクで課題となっていた高湿度下における色調変化の落ち着きまでの時間を従来の数分の一、15〜20分に短縮できるという。カラースペース的には、染料ではYの色調が印刷インキよりもR方向にズレていた点も改善されているようだ。顔料の採用で、当然ながら耐候性も大幅に向上し、プルーフ用途だけでなく屋外ポスターへの利用にも期待が持てる。

従来からEPSONはいくつかのプリンタメーカーにピエゾヘッドをOEM供給しているが、武藤工業が4または6色インクジェットプリンタに仕立てたFALCONシリーズは、コダックがプロフェッショナル・ラージフォーマット・プリンタ(LFP)、LFP3062(157cm幅)、同3043(107cm幅)、同3038(93cm幅) として採用されていた。
また、AGFAJET Sherpa43、同54、同62も同様にFALCONであるが、Sherpa24だけはEPSON PM-7000Cそのもののようだ。

クレオサイテックスのIrisシリーズには大きく3系列あるが、Iris 43Wide、同62WideはFALCONシリーズの4色プリンタを採用、A3サイズのIris iPROOFはキヤノンのBJプリンタ、Iris 2PRINT、同4PRINTはIris伝統のコンティニアス方式のインクジェットである。また、他のコンティニアス方式ではデュポンのCromalin Digital AX、同AQはStorkのヘッドを採用している。

キヤノンのバブルジェットプリンタ BJ-F8500(A3ノビ、最大1200×1200dpi、4色)は独自のCMSを組込んで、クレオサイテックスのIris iPROOF、イメーションのMatchrint Inkjet Systemとして出展されていた。 また、コニカからも新しく染料インク系でピエゾ方式のB0サイズのインクジェットプルーファー1044PRが発表された。1440×720dpiで高画質モード15分/A0と高速な点が注目されている。

CTPの普及にともなって重要度が増してくるプルーフ用途のプリンタであるが、ユーザーから見ると、1枚の出力物での面内ムラの少なさ、多枚数出力時の出力物間での色ムラの少なさ、複数のプリンタ間での色ムラの少なさなどが求められる。これに対して、HPではDesignJet1055CMにPS3-RIPを組合わせると自動カラーキャリブレーション機能を付加できる。またEPSONでは、A3機種の一部はプリンタの個体差を減らす開発も進んでいるという。このようなインクジェットプリンタの性能向上により、カラー印刷物のリモートプルーフもますます身近な物となってくる。

2000/06/25 00:00:00


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