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各地の声(2001.4)

3月の売上高前年比は0.3%増、4月は0.1%減であった。昨年8月以来プラスを維持してきた印刷業界の景況もわずかだがマイナスに転じた。印刷業界の景況は日本経済全体の一致指標であり、4月のマイナスは景気回復が弱まっていることを裏付けている。

青森:商業印刷、出版

3月は官公庁の仕事が思ったより動いた。納期などについて、契約どおりきちっとできる能力のある会社に発注されているようである。4月は3月からの持ち越しの仕事もあってまあまあだったが、5月はがくっと落ちた。選挙の前は仕事が動かなくなるので、それもあるのかもしれない。
地元のデーラーが不当りを出し、そのディーラー一辺倒だった印刷会社は困っている。

茨城:商業

地場印刷業界のパイが縮小している。日本語の市場拡大に国を挙げて取り組んでほしい。外国語の強化を図り、世界をマーケットとしたコミュニケーションメディア作りが必要なのだろうか。

東京:出版、その他

1月、2月と大幅に落ち込んだが、3月、4月と一応前年並みであった。しかし、売上の低下は著しいもので先行きが案じられる。

東京、製版

4月の売上前年比は230となったが、これは12月から外部で掛かっていたある仕事がまとまったためである。社内的には107%である。

東京:出版、商業

4月まではほぼ順調である。(4月は昨年比がマイナスになったが、昨年の特需の影響によるものである)。しかし、受注内容としては新規開拓が弱く、5月、6月、7月が課題である。環境が沈滞ムードなので、社内活性化を図るチャンスである。経営者の手腕に掛かっていると思う。

東京:商業

全般的には良くない。一時期、不動産業からの仕事が税制の関係で掛け込み需要を増加させて良かったがそれが不安定になってきた。また、全体として売上は増えているが、価格低下は止まってない。底値がさらに下がるということはないが価格下落の範囲が広がるという形での価格低下である。
当社の基本ポリシーは、品質に影響するようなコストダウンはしないというものである。したがって、印刷のコストダウンは当然として、印刷以外のいろいろな部分の内製化を進め利益を確保している。内製化には、短納期対応や品質管理面でのメリットもかなりある。全面転換ではないが、CTP化も順調に進んでいる。

長野:商業

売上は落ちている。いろいろな原因はあるが、地場経済の沈滞がひとつの大きな要素である。ある大手電子製品メーカーのふたつの工場が中国に移るために、同社からシール印刷の仕事を受けていた印刷会社は、一緒に中国に工場を出して生産することになった。当然、同社からの一般印刷物需要はなくなるということになる。

岐阜:商業

地元が悪い。銀行、材料販売業者からの話しを聞くと、周りで良い話しはない。大手印刷業からの下請け仕事や出版をメインにしている印刷会社は安定した仕事を確保しているようだ。ただし、利益状況はわからない。
どのような顧客を持っているかで大きく変わる。また、デフレだから仕事が確保できればそれなりの利益は出せる。東京の仕事はまあまあである。市場自体が大きいからで、2、3本大きな仕事が入ればかなりのプラスになる。

岐阜:事務、フォ―ム

多色フォームの仕事が増えてきている。大手印刷会社からの受注もあるが、いかんせん薄利である。付加価値の高い製品を作り利益に結び付けたい。

岡山:出版、商業、事務

低価格競争は依然続いている。

福岡:商業、事務

まだまだ価格破壊は続きそうである。徹底的コストダウンを図る。

福岡:出版

全般的には、一般印刷部門は4月から下り坂の状況にある。競争は激化し、受注単価はさらに下落しつつある。小泉内閣の人気と裏腹に状況は良くない。今後に期待したい。 (出典:社団法人日本印刷技術協会 機関誌「JAGAT info 2001年6月号」)

2001/06/06 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会