デジタル化やネットワーク化の進展,国境を越えた企業提携や合併,世界的な電子市場の設立など,大きな変革の波に直面している産業界では,IT(Information Technology:情報技術)をベースとした企業間ビジネスの推進,業務プロセスの標準化や自動化,異機種情報システム間のデータ交換などでXML(Extensible Markup Language)に注目した情報システムを構築しつつある。
またXMLの利用は,製造業ばかりでなく官公庁をはじめ,建設,金融,新聞,放送,映像,音楽,通信などあらゆる分野に急速に拡大しつつあり,XMLがデータ交換やデータ蓄積のプラットフォームであることは疑う余地もない。
「夢から現実へ:革命から進化へ」をテーマに,2月7日(水)〜9日(金),サンシャインシティコンベンションセンターTOKYO(東京・池袋)で開催するPAGE2001(PAGE会場までの地図/会場案内/受付について)でも,ネットワーク時代の花形として注目されているこのXMLを,いろいろな角度から取り上げる。
■コンファレンスのXMLトラック■
2月8日(木)9:00〜17:00 サンシャインシティプリンスホテル2F「飛魚」
セッション番号B1の「XML関連標準化動向」では,W3C(World Wide Web Consortium)や報道業界が取り組んでいる標準化動向,2000年12月の「XML2000」での業界標準化動向を取り上げる。
セッション番号B2の「XMLのツール活用」では,各種の応用分野を想定してさまざまなツールが開発されている中から,電子文書の切り口で各種の業務に最適なツールを選択する基準,ツールの本来あるべき姿,これからの方向などを考える。
セッション番号B3の「XMLシステムの構築」では,既存の自社システムと国際的なビジネスの枠組みや企業間ビジネスの枠組みとをどのように連携させるか,XMLの特徴を活かしたシステムをどのように作るかなど,XMLによる新しいBtoB(Business to Business:企業間電子商取引)の世界を取り上げる。
■コンファレンスのXML関連セッション■
セッション番号C3の「工程間のデータフロー」[2月8日(木)15:00〜17:00 サンシャインシティプリンスホテル2F「乙女」]では,XMLを利用したJDF/CIP4を取り上げる。
セッション番号A5の「ドキュメント管理」[2月9日(金)12:00〜14:00 サンシャインシティプリンスホテル2F「鎌北」]では,日常のビジネスの流れに沿ってのドキュメント処理の自動化,情報提供のオンデマンド化を取り上げるが,そのベースはXMLの利用である。
セッション番号D5の「自動組版の方向」[2月9日(金)12:00〜14:00 サンシャインシティプリンスホテル2F「琴」]ではDSSSL,XSLT,XSL-FOなどを利用した自動組版を取り上げる。
■セミナーのXML関連セッション■
セッション番号E7の「XML/SGML利用事例」[2月9日(金)12:00〜14:00サンシャインシティ文化会館5F特別ホール「501」]では,蓄積したXML/SGML情報からWebでの情報発信や印刷物の制作,インターネットを通じた例規集全文検索サービス,文書やCAD図面データのXMLによる有効活用事例など,各種のXML/SGML利用事例を取り上げる。
■ITソリューションパートナーコーナー■
今日では,IT化によって時代変化の速度に追従することが重要になっている。このため,自社ですべて対応するのではなく,すでにノウハウを持っているところとタイアップし,外部能力の活用やリスク分散を行う必要が出てきた。
そこでPAGE2001では,印刷関連産業が一段とスケールの大きな戦略的な取り組みを行う一助として,展示ホールA(ワールドインポートマート4F)にITソリューションパートナーコーナーを用意した。このコーナーには,多様なメディア加工技術や情報処理技術を応用したデジタルビジネスを創出し,印刷関連産業に対してサービスを提供できる多くの企業が出展する。
コーナーは,EC,XML,PDF,DB/NETなどのゾーンに分かれており,このうちの「XMLゾーン」では,(株)アイ・ビー・エス,XML共同開発センター,(有)ジャット,(株)シンクプラン,東芝アドバンスシステム(株),ネクストソリューション(株),丸星(株)などが,XMLを利用したクロスメディアコンテンツ制作ツールやビジネスソリューション,XMLドキュメント制作,BtoBシステム構築,各種のXML関連ツールなどの製品やソリューションを出品するとともに来場者の相談にも応じる。
(1)情報知識学会
(2月7日 13:00〜16:30 サンシャインシティ文化会館7F 701会議室)
[テーマ]情報と知識のマネージメントのために(第2回)−XML/SGML関連動向−
[イベントの概要]情報メディア産業が取組むべき課題のひとつとしてXML/SGML関連がある。当セミナーでは,
1)XMLやSGMLに関連した電子政府の動きなども含めた官公庁関連の動向
2)デジタルライブラリや電子ジャーナルなど学術界の最近の動向
3)エレクトロニックコマースやベンダーにおける産業界の動向
4)データベースや出版関連など印刷出版業関連の動向
を探る。
[問い合わせ先]03-3835-5692(事務局/五所<ごしょ>)
E-mail:LDE01013@nifty.ne.jp
(2)XMLコンソーシアム/日本電子出版協会/XKP漢字処理技術協議会(共同開催)
(2月8日 13:30〜15:00 サンシャインシティ文化会館7F 710会議室)
[テーマ]XMLを使った外字処理
[イベントの概要]オンデマンド出版,インターネット出版,マイクロソフト社やアドビ社のeBookなど,出版物のデジタル化が急速に進んでいる。当セミナーでは書籍のデジタル化で必ず問題となる「外字」の扱いについて,XMLをベースにした解決方法を紹介する。講師は(株)ピーデー川俣晶氏である。
イベントの詳細及び申込については,こちらを参照。
[問い合わせ先]03-3219-2958(日本電子出版協会)
E-mail:wwwmaster@jepa.or.jp
(3)W3C(World Wide Web Consortium)
(2月9日 13:00〜16:30 サンシャインシティ文化会館7F 705会議室)
[テーマ]Webパブリッシング技術 −W3Cの取り組み−
[イベントの概要]W3Cが標準化を進めている,ベクターグラフィックス(SVG),XML変換のマークアップ(XSLT),組版用マークアップ(XSL-FO)について解説する。
W3Cのイベント情報によれば,現状での講演内容は次の通り。
◎ Martin Durst will chair a W3C session on XML based publishing.
◎ Chris Lilly will give a presentation on SVG, XSL-T and XSL-FO.
◎ Kazuhiro Kitagawa will chair a panel titled, 'XML and its standardization.'
◎ Norio Touyama will give a presentation titled, 'Perspectives of XML based publishing.'
[問い合わせ先]0466-49-1170(事務局)
E-mail:kaz@w3.org
(4)関西SGMLビジネス懇談会(KSB)
(2月9日 13:00〜16:30 サンシャインシティ文化会館7F 707会議室)
[テーマ]XMLビジネスへのチャレンジ
[イベントの概要]実習形式のセミナーで,XSL変換とSAX/DOM/Javaの演習を行う。また,KSBメンバー会社の実績を紹介し,個々の相談にも応じる。詳細は,特別ページ「The SGML/XML Page」を参照。
[問い合わせ先]06-6352-6845(JAGAT西部支社内)
E-mail:taguchi@jagat.or.jp
2001/01/31 00:00:00