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ISO、運用が始まれば、内部(品質)監査も業務の一環

〜ISO9000運用アンケート報告(第7回)〜


ISOを現場でリードするのが、内部(品質)監査員である。ISOを実質的に支え、動かしているといっても過言ではない。内部(品質)監査員のレベルが上がることは、目に見えて現場の管理システムの向上につながっている。今回はこの、内部(品質)監査員にスポットを当ててみた。

〜内部品質監査員について:人選方法は?〜
●内監の約6割が職場のリーダー格

内部品質監査員は固定(31.3%)しており、ローテーション(14.1)や自由に人選(3.1%)は少ない。「各職場のリーダー格」(59.4%)が人選されるのが一般的のようだ。有資格者の中から立候補した者を採用する制度を設けている企業もある。

人選方法 事業者数 %
各職場のリーダー格 38件 59.4%
固定 20 31.3
ローテーション 9 14.1
各職場で自由に人選 2 3.1


【質問:内部品質監査員について:人事評価は?】
● 8割弱が業務であり特別なものはない
ISOもシステムとして動き始めればそれを維持管理するのも当然業務になるわけで、76.6%が「業務と考え特にない」と回答している。ただ、内監の仕事を通して「普段見えない能力を発見した」という担当者が約11%ある。ISOの組織が職制とは違った形態であることから新たな発見もでてくるのであろう。

内監業務は特別な業務でないにしても「監査員は、監査方法によって被監査部門の管理が善くも悪くもなることは銘記しべきでしょう。また監査員は組織各部門の管理レベルアップに寄与するために、事務局と連携して監査方法のレベルアップ図るためベンチマークなどを取り入れ、一層の努力が必要でしょう」と元中堅印刷会社のISO担当者は監査員の質の重要性を強調する。そう言う意味では、監査員の積極的な貢献度評価があってもいいのではないだろうか。

人事評価 事業者数 %
業務と考え特にない 49件 76.6%
貢献度を考慮している 7 10.9
普段には見えない能力を発見 7 10.9
その他 1 1.6


〜内部品質監査員について:負荷量は?〜
●約7割が「それほどではない」と評価

日常業務としてこなしているので負荷は「それほどでない」(73.4%)と事務局担当者は評価しているようだ。しかし、監査員を指名された本人からすれば「精神的・物理的」に負荷増にならなかったとは言えないであろう。「負荷が大きい」(26.5%)と回答した方の理由としては「持続的な勉強会などの業務増」(47.1%)、「専門外の部署を担当するため」(35.3%)が多く、「少人数だから」(11.8%)というのは少ない。業務増の例としては、スケジュール調整が難しく、繁忙期と重なったり、時間外業務になることが多いためとの声があった。専門外担当では、監査員のレベルにバラツキがあるため、調整・フォローが必要であったりするようだ。

負荷量は 事業者数 %
大きい 17件 26.6%
それほど大きくない 47 73.4


負荷が大きい理由 事業者数 %
少人数のため 2件 11.7%
勉強会など業務増 8 47.1
専門外の部署を担当するため 6 35.3


内部品質監査員について:人数の基準は?
●部門に1人程度

これは企業の事情によってまちまちであろうが、「部門に1人程度」(37.5%)というのが多い。「課・係りに1人程度」が29.7%、「部門に2〜3人」(7.8%)と少し余裕のあるところもあれば、「1人で2部門以上」(7.8%)を担当している企業もある。また、人数的な基準とは別に、主任・係長職以上はすべてという企業や管理職は監査資格を取らせる(資格のないものは管理職になれない)というところもある。

人数基準 事業者数 %
部門に1名程度 24件 37.5%
係(課)に1名程度 19 29.7
1名で2部門以上 5 7.8
その他:部門2〜3名 3 4.7
その他 13 20.3


【質問:内部品質監査員について:総人数は?】
●7割が6人以上の内部品質監査員を有している
対象人数が比較的多いので(101人以上が51.6%)、内部品質監査員の人数も70.3%が6人以上で、従業員の1割を目安にしている企業もある。3〜5人は12.8%、3人未満は1件のみであった。

総人数 事業者数 %
6名以上 45件 70.3%
全体で3〜5名 8 12.5
全体で3名未満 1 1.6
その他 10 15.6


【質問:内部品質監査員について:スキルアップ(監査技法)はどのように?】
●内監研修先は内・外半々
内部研修の方が14%ほど多いが、内部(57.8%)、外部(43.7%)半々と言ってよいだろう。両方を実施しているところもある。

スキルアップは? 事業者数 %
社内研修 37件 57.8%
社外研修 28 43.8



※回答者の声
【内部監査員の苦労をもっと評価して欲しい】
 ISOの導入後、実際に引っ張っているのは、事務局と内部(品質)監査員である。とくに内 部(品質)監査員のレベルがその企業の実効レベルといってもよいであろう。彼らが中心になっ て社内監査を実施し、チェック、問題点のピックアップ、改善、効果などを報告している。なにより現場作業員にISOを実務的に指導しつつ、品質マニュアル、作業規定書などの定着に向けて地道な努力をしている。作業員との間で結構精神的な軋轢があるようだが、よく説得をして進めている。内部監査員はわが社では明らかに次世代のリーダー的存在である。この努力を経営者はもっと評価をしてやって欲しい。「業務だ!」といってしまえばその通りなのだが・・…。まだ導入して1年程度ですが、明らかな成果は、「やるきのある内部監査員が発掘できた」ことである。この人達を大事に育てたい。(品質管理課長)




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2001/11/09 00:00:00


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