全印工連の「平成13年度印刷業経営動向実態調査集計結果報告書」によると,中小印刷業が2000年に受注した先の業種別売上高順位は,第1位が卸売・小売・飲食店で13.5%を占め,7年連続でトップとなりました。2位は2年連続で印刷となり,12.4%とポイントも上昇しています。以下は新聞・出版10.1%,広告・放送・情報サービス10.1%,その他製造業7.7%,官公庁7.4%その他サービス業6.8%です。
全体では広告・放送・情報サービスとその他サービス業の順位が入れ替わりましたが,上位6業種の顔ぶれは変わっていません。
前年に比較してシェアは落としましたが,卸売・小売・飲食店が9年連続でトップを維持しています。前年に続き印刷会社が2位となり,シェアも上げました。「印刷産業の主要得意先の一つが印刷業」という図式は2000年も同様です。広告・放送・情報サービスがシェアを伸ばしたのは,IT関連企業が好調だったのに加え,CATVやCS放送などが普及していることが理由と考えられます。
以下は地域別の中小印刷業の得意先業種です。
・北海道:その他サービス業(18.5%),卸売・小売・飲食店(17.5.%),学校・各種団体(13.0%)
・東北:官公庁(15.2%),卸売・小売・飲食店(13.1%),印刷(12.0%)
・関東甲信越静:卸売・小売・飲食店(18.9%),印刷(15.1%),官公庁(11.3%)
・東京:新聞・出版(18.5%),広告・放送・情報サービス(11.5%),印刷(10.4%)
・中部:広告・放送・情報サービス(16.4%),化学・石油石炭製品等(15.1%),印刷(12.3%)
・近畿:その他製造業(17.9%)その他サービス業(12.0%)印刷(10.5%)
・中国:卸売・小売・飲食店(23.6%),印刷(14.1%),新聞・出版(11.8%)
・四国:卸売・小売・飲食店(24.1%),印刷(21.6%),新聞・出版(13.9%)
・九州:卸売・小売・飲食店(26.2%),印刷(14.1%),官公庁(9.2%)
東京は地場産業といえる新聞・出版がトップです。各地域では上位にある官公庁が,東京,近畿ではランク外になっています。多くの企業が集中する大都市圏では地域の産業が反映される一方,地方では官公庁が上位になる傾向がみられます。
(プリンターズサークル 2002年4月号より)
2002/04/21 00:00:00