経済産業省発足に伴い印刷・製本業は,商務情報政策局文化情報関連産業課の所轄となりました。旧通産省では生活産業局紙業印刷課の所轄で,印刷関連業界だけでした。しかし文化情報関連産業課には,印刷・製本業のほかゲーム用ソフトウエア,映画・映像産業,レコードなど音楽業,広告代理業などのコンテンツおよびその加工をする産業が属します。印刷業は単なる製造業から情報を加工し,ハンドリングしていく産業への脱皮が求められているといえます。参考に同じグループであるゲーム業界とレコードなど音楽産業をみてみます。
社団法人コンピュータエンターテイメントソフトウェア協会(CESA)の「2001CESAゲーム白書」によると,2000年1〜12月までのソフトウエアとハードウエアの総出荷額は1兆1178億円で,前年比9.9%増となりました。このうちソフトウエアの国内外を合わせた総出荷額は,5778億円(前年:5628億円)で,国内向けは2931億円(同3285億円)です。国内向けソフトは1997年以降4年連続の減少で,市場の頭打ち感が強まっています。
日本レコード協会の調査によると,同協会加盟24社(受託生産も含む)のオーディオレコード,ビデオレコードを合わせた2001年のレコード総生産数量は,4億4281万枚・巻(2000年:4億8030万枚・巻),総生産金額は6525億円(同6774億円)となっています。オーディオレコードとは,コンパクトディスク,アナログディスク,カセットテープのことです。その内訳は,コンパクトディスクの数量は3億6863万枚(前年比11%減),金額で4895億7800万円(同6.5%減),アナログディスクは130万枚(同31.9%減),金額13億5100万円(同34.7%減),カセットテープは1516万巻(同11.7%減),金額では121億3200万円(同12.5%減)となっています。ビデオレコードとは,DVDやビデオテープ,LD,VHDのことで,生産量は5772万枚・巻(同22.4%増),金額で1494億円6300万円(同8.7%増)となっています。このほかCD-G,CD-ROM,CD-Iなど,AV複合型レコードの生産量は1億3489万枚です。
(プリンターズサークル 2002年4月号より)
2002/06/02 00:00:00