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第18期DTPエキスパート認証試験 新出題/変更問題項目

来る8月18日(日)に実施するDTPエキスパート認証筆記試験問題について,新出題/変更問題項目を発表します。

※注意 この発表はあくまでも新項目であり,新問題の発表ではありません。試験の公平性維持の意味においても,以下の項目以上の情報提供はいたしかねますので予めご承知おき下さい。

 

1. プリンティングディレクタ資質

 DTP作業は印刷物作成工程の始まりであり,印刷物製品が完成するまでの全工程の要点は押さえておかなければ,後工程に不適切な紙面を提供するかもしれません。「やってはいけないこと」の知識を越えて,印刷物の適切な設計を促すようになれることを目指します。とりわけページ物に関連した,紙の取り方,面つけ,製本仕様に関する知識を総合的に問います。

2. DTP作業の段取り

 課題制作の狙いは,紙面の品質や作業の設計能力を問うことにあり,レイアウト,組版,配色,品質の一貫性,作業性向上などの要点を要領よく制作ガイドに表し,作業の段取りをすることが求められます。これらの段取りの配慮を学科問題化します。

3. DTPトラブル対策

 個々のアプリケーションの機能にまつわることを問うのではありませんが,最近起こっているバージョン違いでどんな障害があるのかを検証する能力や,障害を避けるための社内ルール化と標準ワークフローの設計,作業環境整備などトラブルに対するスタンスの取り方を問題化します。

4. 出力フォーマットとワークフロー

 印刷のためのDTPの出力はCTPに急速に移行し,出力直前の最終確認までをフルデジタルで行わなければならなくなりました。出力ワークフローでは1bitTIFFも使われていますが,その限界,またPDFにおいてもPDFの中にどのようにデータを格納しているか,それらフォーマットが混在したワークフローで,どのように使い方をするのかを問います。

5. Windowsのレンダリング

 DTP作業でMacとWindowsをまたがるケースではトラブルが発生しやすいので,WindowsデータはそのままWindows環境で出力まで作業を進めることが多くなりました。Windowsにおける画面表示やプリントの仕組みを考えると,レンダリングエンジンであるGDIの働きから出力までの概略を知る必要があります。

6.色の科学的アプローチ

 フルデジタルワークフローでは,プリンタを使った色校正が分散的に行われるなど,カラーマネジメントの重要性が高まりました。CMSについてはDTPの全工程・全環境を視野に入れた分析的と,計数管理が求められます。それに必要な色の科学的知識や,データの読み方,例えば僞の値がどのような意味を持つかなどを問います。

7. 印刷原理と印刷評価

 今日主流のオフセット印刷の品質には,プリプレスで決定される部分と,印刷段階で負う部分があります。これらの識別するために,品質にかかわる印刷原理や特性の理解として,インキの膜厚の考え,水あり印刷/水なし印刷の特徴,グレイバランスなど印刷時点での画質管理・評価などの基礎知識を問います。  

※ 以上の7項目がそのまま問題数と対応するわけではありません。項目によっては2つ以上の出題になる場合があります。また,新出題にともなって従来問題の入れ替え/統合/削除などが発生しますし,それ以外の従来問題についてもアップグレードを行ないます。
結果的に,新出題項目を中心として全体の20%くらいの問題が入れ替わることになります。

◆ 今回大きく変更予定の既存問題(予定)

デジタルカメラの原理と特性/マルチメディアのフォーマットと容量の概算/今後のネットワークの使われ方/常識色・レタッチ用語/セキュリティ/知的財産権/組版レイアウトの良し悪し/など  

2002/06/14 00:00:00


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