本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。

紙と電子メディアの融合時代を築け

JAGATは2002年5月に印刷新世紀宣言として、今後印刷業界側から切り開いて、価値を産むことが出来るものは、クロスメディアと、eビジネスと、デジタルプリンティングに集約できるとまとめた。クロスメディアとは,紙メディアと電子メディアの共存をロスなくできる環境を作っていくことである。eビジネスは,印刷物提供に付随して過去から行っていた派生サービスも含めて,ITを使ってさらにサービス価値の向上を図るものである。デジタルプリンティングは,デジタルデータから即アウトプットができる時代なのだから,データを最大限に活用して,いろいろな場所でいろいろなプリンティングをするように事業を広げていくことである。

新たな3つの柱は、ちょうど1980年代の電子化や1990年代のフルデジタル化に相当する大テーマであるといえる。これらのテーマを2002年度からのJAGAT事業に反映させ、20世紀的「印刷の観念」から脱却し、個々の企業が新しい印刷の枠組みの中で自分の戦略が持てるような関係を、皆で努力して作っていきたい。2003年2月2月5日(水)〜7日(金)のPAGE2003コンファレンスは、印刷新世紀宣言コンセプトのもとに、クロスメディア、プロダクティビティ、MIS、PODの大きく4つのトラックを設け、その中の各セッションは先進的な取り組みをしているところに広く呼びかけて、オープンな形で運営することにした。

急速に進行するIT化、EC化のなか、日本の産業構造が大きく変革していく時代にあって、過去のビジネスモデルが通用しなくなり、それぞれの事業プランは以前にも増して緻密なシナリオ化が必要になっている。しかし個々の企業の判断・理解が可能な領域は限られているので、お互いのビジョンや試行錯誤の経験を有効に交流させて、今後3〜5年後のビジョンを強化するための話し合いをしようというのがPAGEコンファレンスの開催主旨であり、グラフィクアーツ業界の将来を左右するトピックスを濃縮した各トラックのプログラムは、関係の経営者・管理者にとって最も重要なものとなる。

クロスメディア

この十数年ほどの間に、電話での情報サービス、パソコン通信、eメール、WEB、iモードなど、次々と新たな情報手段が登場した。それらは個々に離れて存在するのではなく、一つのコンテンツが変幻自在に姿を変えて身の回りに現れるようになったのである。 多メディア複合利用の時代にあっては、過去の印刷の役割に固執したビジネスの視点は役立たず、印刷は出力のオプションの一つという考えで見直す必要がある。従って今日のクロスメディア戦略とは、顧客の求める出力形態は何でも応じられるような、メディアニュートラルなシステムを構築することであり、主たる収益が印刷から出るのであっても土台はクロスメディア対応に作り変えなければならない。

PAGE2003 クロスメディア・トラックでは次のようなキーワードをベースにセッションを組み立てようと考えている。これらの範疇の中で、2〜3年先をターゲットに活動を始めている方々は、ぜひ参画していただきたいと同時に、それぞれの試みをPAGE2003コンファレンスで発表していただきたい。

●Internet Publishing
  サイトポリシー、セキュリティ、マルチメディア著作権、制作管理

●電子書籍・ブックオンデマンド
  コンテンツの有料化、オンデマンド出版システム、電子ペーパー応用

●電子カタログ、電子マニュアル、eラーニング
  システム、運営、コンテンツ

●ブロードバンド+モバイル
  WEBの3D・CG、インタラクティブWEB
  ストリーミング配信サービス、暗号化技術
  マルチメディアフォーマット

●データ管理
  メタデータ、DAM、標準化
  アーカイブ(美術品,地域文化・情報,ビジネスドキュメント)

●電子政府
  申請,ペーパーレス,認証,入札,公共サービス,情報公開

●XML Publishing
  XMLツール、XML関連ミドルウェア、NewsMLなどフォーマット
  クロスメディアシステム

Call for speaker

前述のように、近未来のビジョンをもって上記に関する取り組みをされていて、PAGE2003において30分ほどのプレゼンテーションが可能な方は2002年11月15日までに、担当の小林宛に、発表できるテーマについて簡単な内容をお書きの上、メールをお送りください。追って当方から、連絡を申し上げます。

2002/10/21 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会