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ドットフォントの雑学(5)─フォント千夜一夜物語(26)

現在のMacintoshやWindowsパソコンには、多様な書体のアウトラインフォントが標準装備さ れている。TrueTypeやATMなどのフォントラスタライザによりビットマップに変換 され、画面表示する仕組みである。

しかし実際には、小サイズを表示する画面表示用にはドットフォントが用いられている。 Windowsの例をあげれば、VGA(96dpi)の画面表示用には10ドット、12ドット、14ドッ ト、16ドット、18ドット、20ドットなどが添付されているほかに、7ドット、8ドット、 9ドットがルビ文字用に用意されている。

そして、Macintoshでは9ドット、10ドット、11ドット、12ドット、13ドットフォント などが添付されている。また、フォントベンダーによっては、市販のフォントパッケージに アウトラインフォントとともにドットフォントを添付している場合もある。

文字サイズを指定すると、それに対応したドットサイズを呼び出して表示するが、文字 サイズが固定されているので、用意されていないサイズを指定すると本来のデザインが崩 れることになる。

しかし、18ポイント以上の表示にはアウトラインフォントが使われているのが一般的で ある。アウトラインフォントがスケーラブルフォントと呼ばれるのに対し、ド ットフォントが非スケーラブルフォントといわれる理由である。

●デジタルフォントの品質
デジタルフォントの品質要件には、下記の要素がある。

1.フォントデザイン
(1)原字のデザイン的品質
(2)デジタル化適性

2.出力装置の解像度
デジタル方式の選択
・ビットマップフォント
・ビットマップ+アウトラインフォント
・アウトラインフォント

アウトラインフォントをビットマップに変換すると、つまり0と1に変換すると量子化 誤差が生ずる。線の位置がドットのグリッドの中間に位置すると、0.5は存在しないから 線幅は1ドットか2ドットになる。これが量子化誤差現象である。

そこでこの問題を回避するために「ヒンティング」と呼ばれる、線幅補正のテクノロジ ーを用いて線幅を揃えるようにする。このテクノロジーはプリンタ出力だけでなく、CRT モニタ画面表示のドットフォントにも用いられている。

昔のドットフォントのドットサイズは、ディスプレイやプリンタの解像度に影響されて 16×16ドット、24×24ドット、32×32ドットフォントなどの特定のサイズが多かったが、 最近の携帯電話や電子情報機器の多様化とともに、要求されるドットフォントのサイズも 多様化している。

以下にフォントベンダー(リョービイマジクス(株))が販売している、主なドットフォン トの種類を上げてみると、

9×9ドット、10×10ドット、11×11ドット、12×12ドット、
13×13ドット、14×14ドット、15×15ドット、16×16ドット、
18×18ドット、20×20ドット、22×22ドット、24×24ドット、
26×26ドット、30×30ドット、32×32ドットなどがある。

上記のサイズは文字枠(ボディサイズ)を表わしたものであるが、これらに対応した 文字サイズ(レターサイズ)、つまり字面のサイズがある。例えば16×16の文字枠で、文 字サイズは16×16ドットと16×15ドット、15×15ドットなどである。

これらのドットフォントは、使用目的と機器の表示形態や解像度の種類によって使い分け られているわけである。(つづく)。

フォント千夜一夜物語

印刷100年の変革

DTP玉手箱

2003/05/31 00:00:00


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