組織改革は次の打つ手か
新規事業の展開をするためには,同業他社との異社連合では,結局はその優位性を発揮できずに,単なる系列であるだけに終わってしまう。
なくてはならない会社に残れるためには,
1)世の中に今までない製品,サービスをどんどんと提供し続ける[プロダクティブ・イノベーター]
2)今までにあるものを飛び切り安く提供してくれる[オペレーショナル・エクセレンス]
3)商品の機能や価格は同じようだが商品以外のことで,「安心だ」「信頼がおける」「正確だ」といった副詞や形容詞が付く会社[カスタマー・インテマシー]
−ハーバード・ビジネスレビューより−
のどれかでないといけないと言われているが,大多数の会社は,「商品の機能や価格は同じようだが」に入り,そういう会社から「なくてはならない会社」になるためには,お客様の声で化学変化[ケミストリー]を起こすことが大切だ。自分たちの商品は何か? それは顧客にはどういう商品特性に見えるのか? 何と何と何をやったら,自分たちはお客様の立場に立てるのかということに仮説を立て,検証すること。
まず気づき(A;アウェアネス)異業種に標準を合わし(B;ベンチマーキング)交わった人々で討議して(C;クロスファンクショナルチーム)お客様の声を聞いて全体で受け止めるための仕組みを決めておく(D;ディプロイメント)お客様と接点をもつ第一線の社員を強化して権限を委譲していく(E;エンパワーメント)。
こうした結果,その会社はお客様にとって便利な会社になっていく。
そうした結果を招くためには,まず「異業種に学べ」。異業種との交流の中で,双方の関心が一致して展開を図り出した時に新しいサービスが生まれた。まさにこうした背景をもつ商品が,当社8月下旬・新発売のカラーキャリブレーションツール「スターフラッグ」だ。
こうした組織のカテゴリーを離れたところからの発想で生み出された商品,その販売方法を通じて新しい組織体が形成されていく。残念ながら,顧客ありきでなく,最初に商品ありきの日本では,こうした方法論が最もしっくりと展開を果たせるのではないかと思っている。
(京都・遠藤写真工芸所 井上義雄)
印刷業界に限らず
経済環境の変化に合わせた経営改革は,ひとえに組織,人事(教育・評価・給与体系),技術(システム・設備)改革が基本であろうと考えます。
なかでも組織改革は自社の課題解決をいかにスピードアップするかが目的であり,ステップは経営トップが自社の課題をどの程度明確に優先順序で認識しているか,その担い手に対しての指導,育成と教育,権限委譲体系の構築,役割と責任の明確化による課題解決の施策を具体化(5W1H)させ,P.D.C.A.サイクルによる徹底さを実施するか,しないかではないかと思います。
組織改革とは人的軽量化のみならず,トップを含めた組織の活性化があって初めて遂行されるのではないでしょうか。
活性化にはトップの決めたことを徹底して推進する強い意志が重要であろうと考えます。
(P=plan 計画・目標・施策)
(D=do 実施・行動)
(C=check 推進状況検証)
(A=action 新たな課題の摘出,追加施策の実施)
(東京飯田橋印刷K.O.)
日本のデフレは,国内のどの産業にも当てはまる条件であり,それをボヤいても仕方がない。ビジネスの競争は他社との差別化が原則であり,その基礎は自分の得意技であることは,景気の良し悪しとは関係ない。今のような生き残り競争においては,それはより顕著になっていくと思われる。
得意技を,さらに得意にしていくためには,きめの細かい管理が必要だが,得意技が各社で違っているように,この管理の仕方は各社独自のものとして考えるべきだろう。
同じ職場で同じような業務をしている人でも,自分の任務をわきまえている人と,責任感も薄く何もかも他人事のような姿勢の人がいる。得意技を強くするという点では,業務の核となっている人を他の人は見習ってほしいものである。
そこで,
見習うべき業務ごとの任務や到達目標を明文化して,それを人事考課で各人が比較評価をできるようなものを導入していこうとしている。
問題は見習おうとしない人がどれだけ出てくるかである。その人たちはパート職員と同じような処遇にするしかない。従来は雇用関係を途中で変えるような制度にはなっていないが,そういうこともできるような組織変更が必要な時がくるだろう。
(匿名希望)
組織改革といっても,まず始めに,自社にとっての本来あるべき組織とは何かを考えるところから始める必要があるだろう。しかし,これが難しい。目標とする組織図を描いてみて,その組織図に現有の人材を当てはめてみると,管理職にも,専門職にも人材不足がはっきり現れる。
組織改革の前に,人材確保が課題になる。現有勢力を教育して昇格させるか,外部から採用していくか。果たして現在の自社に有能な人材が応募してくるか。
人材確保のために自社ブランドをいかに高めるか,広告宣伝,広報など打つべきことは数多い。
わが社は人材確保,しかも有能な人材確保に資金投入するところからスタートしたい。
2003/06/04 00:00:00