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ドットフォントの雑学(7)─フォント千夜一夜物語(28)

前回の「ドットフォント・デザイン」で16ドットフォントを取り上げたが、図2「鷹」 の24ドットフォントは24等分されたマス目のなかに、文字枠(ボディサイズ)24ドット ×24ドット、字面(レターサイズ)22×22ドット、つまり縦横1ドット小さくデザインさ れた明朝体のドットフォントである。


「鷹」の10本の横画だけ考えれば字面22ドットは十分に見えるが、マス目を横方向に 使う点やハライ、ハネ、などがあり、デザイン上10本の横画は確保できなくなる。そのた め図のように横画を省略したドットフォント・デザインになっている。

ドットフォントがもつ欠点として、ジャギーやデザインの品質上の問題があるが、低ド ットフォントの場合は、無理に原字の字形に忠実であろうとすると、文字の大きさが不揃 いになったり、線と線の間隔が不均一になったり、また文字の重心がずれて並びが悪くな り見苦しくなる。

●ドットフォントの制作手順
一般的なデジタルフォントの制作システムは、イメージスキャナ、画像処理機能を具え たワークステーションやパソコン、プリンタなどで構成される。

ドットフォント制作の旧来型のシステムはカメラ型が多く使われ、次のようなプロセス で制作された。

1.旧来型システム
(1)アナログ原字(文字原稿)をカメラでディスプレイ上に映し出す。
(2)所定のドットサイズにデジタライズする。
(3)文字の不要な部分のドットを削除したり、不足部分にドットを追加する。
(4)全体の形を整えながらデザインをする。
(5)プリントアウトして個々の文字のデザインチェックをする。
(6)修正文字をディスプレイ上に呼び出し、デザインチェックに基づきドットの追加・削除 などの修正をする。
(7)(5)〜(6)の工程を繰り返す。

2.近代型システム
近年アウトラインフォント制作システムが一般化してから、ドットフォント制作手順も 変化してきた。そのプロセスの概略は、
(1)アナログ文字原稿をイメージスキャナから読み込みアウトライン化する。
(2)ディスプレイ上に映し出し、余分なデータ点やエレメントの形の崩れを修正する。
(3)プリントアウトしてデザインチェックする。
(4)修正文字をディスプレイ上に呼び出し、デザインチェックに基づき修正をする。
(5)(3)〜(4)を繰り返す。
(6)完成したアウトラインフォントから、所定のドットサイズにデジタライズする。
(7)ディスプレイ上に映し出し、字形やエレメントの崩れを修正する。
(8)プリントアウトして個々の文字のデザインチェックをする。
(9)修正文字をディスプレイに呼び出し、デザインチェックに基づきドットの追加・削除な どの修正をする。
(10)(8)〜(9)を繰り返す。

旧来型と近代型は似たようなプロセスに見えるが大きな違いは、アウトラインフォント の有無である。元になるアウトラインフォントがあれば、いかなるドットサイズも比較的 容易に、短時間で可能である、というメリットがある。

しかしこれにも条件がある。まず(1)原字が高品質であること、(2)オペレータの質が高い こと、(3)デザイナーがデジタルフォントの認識が高いことなどである(つづく)。

フォント千夜一夜物語

印刷100年の変革

DTP玉手箱

2003/06/28 00:00:00


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