●海外からの投資
今までの投資総額は10億USドルを超えた。外資・ベンチャーの数は2200、このうち1600が広州にあり、そのうちの90%が香港からの投資である。上海には外資・ジョイントベンチャーが200ある。
一つの例として、中山市(Zhongshan City)では、1300社の印刷会社があり、その内70社が海外投資の企業。333ヘクタールの35のパッケージ会社があり、生産額は60億元である。香港のHeshan Astros Printing Ltdは、65ヘクタールの土地に、180000平方メートルの建家を保有し、大型の枚葉カラー平版印刷機40セットを設備している。従業員数は10000人で、年間生産額は275億円である。ここで生産される印刷物の全てが海外に輸出されている。
また、RRダネリー社、凸版印刷、日報印刷/西口印刷など海外企業として定着、成功している。
・課題は多い
急成長しているものの、印刷経営の側面からは多くの課題がある。管理能力の不足、小企業が多く政府依存が高い、高級品質への対応が低いのに対し低品質へは供給過剰である。国営企業の体質改善の進捗が遅い。
・製版印刷資材、機材
2003年において、中国には500の印刷機械製造企業があり、生産額8.8億ドル(963億円)で、そのうち1億ドル(110億円)が輸出されている。2001年〜2003年までの枚葉カラーオフセット印刷機の輸入金額:2363セット、12億ドル(1320億円)、 2003年の枚葉印刷機の輸入は、933台、5.07億ドル(557.7億円)。2001年〜2003年までのオフ輪の輸入は、台数が539セット、金額は4.56億ドル(501.6億円)である。 2003年だけ見ると、131台、1.26億ドル(138.6億円)であった。
・紙の消費量
出版印刷の生産量は1285万トン、消費量は1417万トン、新聞用紙は生産量185万トン、消費量は204万トン、それぞれ不足分は輸入している。
・インクの生産
メーカ400社以上、生産量22万トン、生産額46億元(632億円)
●今後の展開
- 企業の体質改善が第一の課題である。具体的には、民営企業や海外からの投資会社の拡大と国営企業の改革である。
- 第2に、マーケットメカニズムを利用してオープンで公正な競争が出来る市場を確立することである(独占状況の排除)。競争を通じて海外市場を開拓し、さらに大規模企業が主導して中小企業を共存できる新しいパターンを発達させることである。
- 第3の課題は、ITを使って印刷産業を近代化することである。デジタルワークフローの導入とマネージメントシステムと生産システムの統合化による労働集約型の印刷業界から技術集約化された印刷業界に変身していくことである。
- 第4の課題は、さらなる開放政策を推進することである。印刷産業に関連する各種規制を取り払う。大規模、中規模印刷業は発展するだろうが、小規模企業や生産性が低い企業は再編成されるか市場から退場していくことになるだろう。
2004/07/23 00:00:00