オーストラリアにとってFAGATでの発表は初めてなので、最初にオーストラリアのことについて紹介したい。
オーストラリアは世界で6番目に大きな国である。それに比べ人口は少なく2000万人強、最大の都市はシドニーで人口は400万人強。来年(2005年)の10月にFAGATがシドニーで開催される予定。歴史は古く、原住民が6万年前から住んでいる。200年前までは英国の植民地であった。文化的には多様な側面を持っており、わが国の強味である。
●これからの20年間の展望
●これからの問題を克服するために何をしたか
●21世紀の印刷産業
【文中のグラフ・図表検索】
●オーストラリア印刷産業のプロフィール
オーストラリアの印刷業の概要をご報告する。総売上は、220億豪ドル,企業数は6、000強で大半が中小企業、従業員数は12万人強である。かなり効率のいい業種であるといえる。製造業としては3番目に大きな産業である。紙及び紙製品の輸出額は7.64億ドル、内印刷物が5.86億ドル、輸入額は9.89億ドル。輸入で多いのが、書籍、次いで新聞&雑誌。
このグラフ1は、印刷物、あるいは印刷製品の内訳を示したもので、一般的な印刷、新聞、定期刊行物、書籍、記録媒体としての印刷などとなっている。
次のグラフ2は、輸出と輸入の印刷物をしめしたものである。輸出用印刷物が多いのが分かるであろう。なかでも書籍、雑誌・新聞が多い。
前述したようにオーストラリアの印刷産業は、製造業の中で規模の大きい産業である。人材面でも高度に訓練されたスキルの高い人が多い。印刷あるいは管理においても高い技術を持っている。それは従業員が高い教育を受け、会社においても印刷の専門の訓練を受けながら働いているからである。また、オーストラリアでは印刷に限ったことではないが、新しい技術を導入する体制が整っているのも大きな特徴である。新しい技術を実験的に導入するという風土があり、新技術が早く広がりやすい。海外からは実験市場としても注目されている。
オーストラリア印刷工業会の使命
オーストラリアの印刷、包装、およびグラフィックコミュニケーション産業の発展のための推進役になりたい……というのが我々のミッションである。
我々の団体は、非営利団体で40名のスタッフがいる。オーストラリアの各主要都市には事務所が置かれている。本部はシドニー。会長はMr.Chris Segaert。
オーストラリア印刷工業会の課題
オーストラリア印刷工業会には3つの大きな課題がある。
1. 収益性の改善
2. オーストラリア政府、州政府と共同で仕事を進める
3. 新技術やビジネスシステムの研究・調査。
オーストラリア印刷工業会のサービス内容
ここに列挙した多数のサービスを提供している。主のものを紹介する。
・ 印刷業界の開発プランを紹介しているのが、Print21アクションアジェンダ
・ 会員向けの雑誌Print21マガジンの発行(ビジネス&技術)
・ Print21のオンラインニューズレター
・ 海外展示会参加へのサポート
・ 海外取引のサポート
・ 政府との連絡調整役
・ マネジメントの相談・アドバイス(雇用)
・ 国立の印刷研究所とのタイアップ
・ インターネット(ポータルサイト)を通しての貿易などのサポート
・ オンラインでのベンチマーキング