本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。

気になるDM・破棄されるDM

印刷業務に携わる者として,昨今の配達されるDMの多さとバラエティな内容もさることながら,そのDMの仕様・形状の多岐多様に変化し,それに対応する技術改革の進歩と企業努力を羨望の目で見ております。
反面,確かに印刷技術,配送革新などの進歩から,DM取り扱い数量も小ロットの取り扱いも可能になってきているわけであり,あらゆる業界がDM活用を推進しているものと考えています。
しかしながら小職に限らず,DMに掲載された情報(氏名,住所,電話番号,年齢,メールアドレスなど)はどこから入手しているのだろうと,逆に配送されたDMを不信に感じたり,個人情報を勝手に使用しているとばかりDM提供業者に対して憤りとともに,絶対この業者の商品は買うものか,利用するものかと反感を募らせるようなことをDMが増えればさらに感じておられる方も少なくないと思います。
2005年4月より個人情報保護法の施行が決定しておりますが,直接個人情報が業務に直結している印刷業界において,業務のためならどんな業界の仕事でも,個人情報や企業情報がどのように入手され,どのように使用されようが「関係ない」として業務拡大してきたのが実態であろうと思います。
いまさら言うのがお粗末なことと痛感していますが,個人的に直接配送されるDMの増加実態を見た時,またあらゆる業界や諸官庁内で頻発する個人情報の漏えい事件は無縁とは思えなくなっています。
高齢者をターゲットにした投資勧誘,商品勧誘,勘繰れば「おれおれ詐欺」事件など,個人情報があってこそより具体的で効果的な詐欺が行われるのではないか……。
たかがDM,されどDM,印刷業界も個人情報保護の観点からもDM委託業者(業種的に情報入手や保有していることに疑問がある)の見極めも必要になってきているのではないかと感じています。
DM推進を通じ業界発展は望むところではありますが,発展とともにますます企業倫理の確立,コンプライアンス順守の徹底は一企業責任のみならず社会的責任として担うものとなっています。
日本印刷技術協会からの啓もう発信をお願いするところです。

(東京飯田橋K.O.)


アメリカでは広告費の2割近くがDMで,テレビと匹敵するほどだと聞いてびっくりした。
日本ではテレビの数分の1の規模だろう。テレビの広告とDMは,マスと個別という点では対照的なものだ。日本人は他人と一緒のものを欲しがるので,どうしてもマス広告の比重が高かったわけだが,余暇の過ごし方を見ても個人ごとにライフスタイルを意識するようになっているので,日本ではこれからがDMの時代かもしれない。
わが社で扱っている印刷物のクライアントのビジネス関連で考えると,雑貨的なものは,それこそ「作って売る」ではなく,ライフスタイルを演出するようなエンドユーザとのコミュニケーションの中で,価値を認められるだろうから,提案活動をする営業担当者にはそういうシナリオ構成力を付けなければならないと思い始めた。
(匿名希望)


DMはワンtoワンの方向に向かっていくと言われている。私のところにも数年前から自分の名前が入ったDMが来るようになった。こちらは仕掛けを知っているから,「こういうDMがくる来るになった」と思ったが,それで購買意欲が増すことはなかった。仕掛けを知らない一般の人は,最初は興味を示すだろうが,何回かすれば慣れてしまって新鮮さは感じなくなるだろう。どのようなテクニックを使うかは別にして,目先を変えることが基本なのではないだろうか?
私がDMの封を切るか切らないかの最初の判断は差出人である。ある企業からのDMは必ず開けるし,別の企業からのDMは名前を見ただけでごみ箱行きになる。こういう人間に封を開けさせるためには,よほどインパクトのある外観や一目で分かる魅力的なコピーが重要だと思う。
いずれにしても,DMを考える時の一つの重要な視点として,自らがDMに対してどのようにしているかがあるように思う。
(匿名希望)


一消費者として家庭で考えてみると,やはり長い付き合いの製品なりサービスのDMは意味があるものが多い。そのシーズンになると自分がDMを待ち構えていることが分かる。一時に買いそろえられないものなど,DMをもらう度に一歩一歩前進…というように,人生にリンクしているDMというのもある。つくづくDMの価値というのもコンテンツ次第だなと思わされる。
しかし,印刷会社の立場で考えると,そのような固定客相手のDMは売り上げの維持にしかならず,まだなじんでいない人にDMを出さないことにはビジネスにならない。これは難しい問題だ。今まで知らないものをDMがきっかけで買うことなぞほとんど経験したことがない。よほど割引券だとかメリットを提示されないと,単なる紙くずになってしまう。お呼びでない分野の商品は封を切らずに即,ゴミ箱行きだ。
だから顧客との何らかの接触の後でフォローするような,ワンtoワン的な手法に期待が掛かるのだろう。ワンtoワンになれば,お呼びでないDMが来なくなるとすると,それも良いことだろう。しかし,いずれにせよ印刷の仕事が増える方向にはいかないのだから,DMビジネスは過去のわが社の経験が生かせるところが意外になく,白紙で考えなければならない気がする。
(匿名希望)


クレジットカード会社からよく保険のDMが来る。たいていはガン保険や生命保険である。一応開封はするが,生命保険には既に加入しているし,あまり興味がないのですぐに捨てる。
ここで,思うのはクレジットカードでの購入データなどは,あまり生かされていないなということだ。DM自体はカード会社名で来るのだから保険会社との共同作成だろう。例えば私は趣味は登山なので,クレジットカードの利用もその関連のお店や交通機関,旅行代理店などが多い。そのような購買行動を取っている人なら,傷害保険に興味があるのではと仮定できないだろうか? 実際,傷害保険の案内ならじっくり目を通すだろう。やはり,自分の必要なもの,興味のあることにマッチしたDMなら,開封し,目を通すことなく捨てることはしない。
(匿名希望)


ご意見大募集へ

2004/08/10 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会