日本のパソコンの代名詞であったNECのPC9801が登場したのが今から22年前の1982年。そして任天堂のファミコンが1983年、携帯電話もレンタル形式で1987年には登場している。
パソコンの日常化と共に生まれ育った最初の世代が既に成人しており、あと10年で30代になり、生活者としても消費の大きな担い手となり、ビジネスの中で中核になってくるのである。
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この「パソコンと共に育った層」が紙メディアの新しい活用文化を、今生み出しつつある。今回のシンポジウムでは、その現在の状況と、10年後の展望を『季刊・本とコンピュータ』 の編集長・仲俣暁生氏にモデレーターをお願いし、考えていくことにする。
*シンポジウムの概要は詳細決まり次第随時更新してまいります。またJAGAT・TOPページに関連レポートも随時掲載してまいりますので、そちらも併せてお読み下さい。
第1部◆現在の「読者」像 ――――読者は今、どこで何をしているのか?
[10:30〜12:00]
ここでは出版事情に詳しい永江朗氏にご登場いただき、書店店頭や、読書調査のデータにみる「読者」の姿と、新しいビジネスの可能性について報告していただきます。
●永江 朗 氏 (ライター)
●仲俣 暁生 氏 (『季刊・本とコンピュータ』編集長)
第2部◆10年後の「読者」像 ――――それはPC、携帯、ゲーム機と共に生まれた世代が市場の中心となる時
[13:00〜17:00]
第2部では、生まれたときからPC、ゲーム、携帯がある層の上が10年後には30歳になり、それがもはや市場の中核であるという観点から読者の姿をパネルディスカッション形式で考えていきます。
●近藤 淳也 氏 (株式会社はてな代表取締役)
●深水 英一郎 氏 (株式会社バーチャルクラスター代表取締役、『まぐまぐ』創始者)
●江坂 健 氏 (NTTレゾナント「Hotwired Japan」編集長)
●東 浩紀 氏 (国際大学GLOCOM助教授、哲学者、批評家)
●松岡 裕典 氏 (有限会社ヌーディ取締役、ウェブデザイナー)
●モデレーター=仲俣 暁生 氏
[近藤 淳也 氏]……1975年生まれ。株式会社はてな代表。2001年に夫人らと三人で創設した同社で有料Q&Aサービス「人力検索サイト はてな」 を開始。その後、無料アンテナサービス「はてなアンテナ」、無料ウェブ日記サービス「はてなダイアリー」などを続けて開発。なかでも「はてなダイアリー」が爆発的な人気を呼び、日本語におけるウェブ日記(ブログ)の最大手となる。2004年に創業地の京都から東京に進出。「はてな」の解説本も田口和裕ほか著『はてなの本』(翔泳社)などが出版されている。
[深水 英一郎 氏]……1969年生まれ。Webプロデューサー。株式会社バーチャルクラスター代表取締役。1997年、「インターネットの本屋さん」と銘打って、誰にでも簡単にメールマガジンが発行できるサービス『まぐまぐ』を個人でスタート。その後、ネットミックスマガジン「ゴザンスマガジン」 や表現者支援『ゴザンス』 、新出版プロジェクト「ネオブック」などを立ち上げ、ネット上での個人出版の可能性に取り組みつづけている。
[江坂 健 氏]……1961年生まれ。「Hotwired Japan」編集長。『マリ・クレール』(中央公論社)編集部、『スタジオボイス』(インファス)編集長を経て、95年からインターネット上のメディアづくりに転身。オンライン・コンテンツ制作会社ソフトマシーンを設立し、ウェブマガジンなどを発行した後、 97年にオンラインマガジン「Hotwired Japan」 (NTTレゾナント株式会社)を創刊、以後編集長をつとめる。
[東 浩紀 氏]……1971年、東京生まれ。国際大学GLOCOM助教授・主任研究員。『存在論的、郵便的 ジャック・デリダについて』で第21回サントリー学芸賞を受賞。2004年には一年間限定の有料メールマガジン「波状言論」 を創刊。現代思想からサブカルチャーまでを論じる新世代の批評家として雑誌やインターネット上で活躍する。著書『動物化するポストモダン オタクから見た日本社会』(講談社現代新書)ほか多数。
[松岡 裕典 氏]……1952年生まれ。ウェブデザイナー。有限会社ヌーディ取締役。1978年に投稿雑誌『ポンプ』の設計に参加。82年には「横浜こども科学館」のマルチメディアDBを企画。86年に伝説的な草の根BBS「WENET」を開始し、ネットをメディアとするための実践に早くからとりくむ。95年に企業ウェブサイトの設計を行なう株式会社アクセスの設立に参加。「本とコンピュータ」のウェブサイトの設計もおこなう。共著に『ネットコミュニティビジネス入門』(日経BP社)などがある。
[仲俣 暁生 氏=モデレーター]……1964年、東京生まれ。雑誌『シティロード』『ワイアード日本版』などの編集を経て、97年よりフリーランスの立場で『季刊・本とコンピュータ』に参加し、激動する出版電子化の最前線を見続ける。編著『いまの生活「電子社会誕生」〜日本語ワープロからインターネットまで』(晶文社)、『オンライン・マガジンを読み倒す』(トランスアート)ほか。
●関連レポート
「PCと共に育った新しい読者の時代」
「ネット上のテキストの流通がもたらすビジネスの可能性」
「「読者」の新しい読み方・使い方」
「『本とコンピュータ』編集長が捉える「読者」の姿」
「出版の変容・読者の変容」
【印刷業界の皆様へ】「読者」の読み方が変容すれば、出版も変容し、印刷もビジネスの仕組みを変容していかなければなりません。このシンポジウムを通してこれからの印刷ビジネスの可能性――これまでとは違う営業ルート・窓口や新しいパートナーとのアライアンスの可能性、フルフィルメントの可能性、バリアブルの活かし方等々を見出してもらえればと思っております。また若手の印刷マンにもこれから先10年間のビジネスを考えるために、ぜひ参加していただきたいと思っております。お待ちしております。
お申込みは、FAX、メールいずれでもお受けできます。
シンポジウム参加申込書 に必要事項を記入の上、(社)日本印刷技術協会・シンポジウム係までFaxにてお申込みください。
あるいは メールPPinfo@jagat.or.jp 宛に、「シンポジウム参加申込書」の項目をコピーし必要事項をご記入の上、送信下さい。
受付順に参加証並びに参加費請求書を送らせていただきます。なお、お申込み後のキャンセルは致しかねますのでご了承ください。
● 参加費振込先
口座名:社団法人 日本印刷技術協会
みずほ銀行 中野支店 (普)202430
● お申込み・お問い合わせ先
社団法人 日本印刷技術協会
〒166-8539 東京都杉並区和田1-29-11
Tel:(03)3384-3113 Fax:(03)3384-3481
*記載内容は諸般の事情により、変更となる場合があります。
2004/08/23 00:00:00