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顧客サポートに必須のクロスメディア(2)

メディア制作やメディアビジネスの発展のために今後キーとなるのが素材の管理である。適切にデータを管理し,ユーザにあわせた情報を効率的かつ効果的に配信することは,メディアを作る側がクライアントに提供する付加価値となる。そのために印刷や出版業界が長年培ってきた組版や編集の技術を,クロスメディアの分野で活かしていくことはできる。ただし,今まではそれは紙への出力目的に限定されていた付加価値であった。デジタルになっても紙の時と同様にユーザにメディアや情報を渡して終りという考え方ではこれまでと変わらない。

最新情報を迅速に配信するための制作環境を作ることや,蓄積されたデータを個々のユーザにあわせた形で配信することなどを実現するためには,素材に属性情報(メタデータ)つけてデータベースに保存し,コンテンツ管理システム経由で情報を配信し、情報を利用したユーザを分析する,などの環境を整える必要がある。 PAGE2004 クロスメディアトラック の2月4日(金)は,付加価値のあるメディアビジネスを行うためのシステムやマーケティングの手法,ネット動画などを中心に議論する。

C4 変わるコンテンツ管理/ワークフロー(2/4 10:00〜12:00)

マルチメディアという言葉が流行った時代から,コンテンツ管理システム(Contents Management System:CMS)が課題となってきた。しかし,ワンソースマルチユースで,1つのデータを何回も利用するものの,制作の現場では人の判断でフォルダに整理して,必要なときに人間が探して取り出すという作業をしていた。これでは,メディアが増える分,手間も増える。

アメリカではCMSの導入は進んでおり,製品の数百万円〜数億円レベルまで幅広い。しかし,日本では導入のコストや手間が障壁となって,結局は個々の人のスキルや人海戦術に頼ってなかなかCMSが広まらなかった。 現在ニーズが高まっているクロスメディアのビジネスでは,データは何回も再利用する上,様々なメディアへ適切な形で配信するため,データの利用頻度がこれまで以上に増す。作業の効率化や迅速な情報発信を実現するためには,CMSの利用は避けて通れない。

セッションでは元ドコモシステムズで技術を担当し,XMLコンソーシアムでも積極的に活動をしているジャストシステムの大野邦夫氏をモデレータにむかえ,日本オラクル 伊東学氏からはクリエイティブな制作環境をCMSで支援するXPF(クロスメディア パブリッシング フレームワーク)と今後のデータ管理の方向性について,マイクロソフト 比嘉氏からはマイクロソフトが提供するContent Management Server 2002(製品名の略称がCMSだが,ここではコンテンツ管理システムのことをCMSとする)を活用した事例,さらにCMSとNewsMLを組み合わせて構築された自治体ポータルサイトについてイーストの藤原隆弘氏から紹介いただく。

コンテンツ管理で何が実現できるか,ワークフローがどれだけ改善されるか,CMSによりどのようなコンテンツビジネスの可能性が広がるか,などについて事例を交えながらCMSについて深く掘り下げて議論する。

(コンファレンスという性質上,製品の機能紹介ではなく,今後の方向性に重点をおいているため,Microsoft Contents Manegment Server 2002の機能やオラクルの提唱するXPFに関心をお持ちの方は,事前に各社のWebサイトをご参照ください)

C5 クロスメディアプロモーション戦略(2/4 13:00〜15:00)

インターネットはTVや新聞などマスメディアに次ぐ広告メディアとして成長している。紙メディアもデジタル印刷機や二次元コードにより消費者へのリーチを高めている。効果的なマーケティングを行うためには,マスメディアやインターネット,電話,DMなど複数のメディアを連動させた運用の仕掛けをITによって構築して展開するクロスメディアマーケティングが必須となる。この点が従来のメディアフュージョンとは異なる点である。

紙とモバイルとの連動でいえば,QRコードは紙と携帯サイトをつなぐということでこの一年で急速に広がった。携帯電話で容易にURLを入力する手段として,電車の中吊りやポスター,雑誌などで様々なところで目にすることで、それぞれの局面に適したメディアの組み合わせを事前に用意しておいて、自動的に応答させる方向に進んでいる。

クロスメディアマーケティングの目的は,単に複数のメディアをつなぐだけではなく,顧客データベースや素材のデータベースをもとに個々のユーザに対して適した情報を提供し,収益率を向上させることである。

電通系のWeb制作プロダクションデジタルパレット星名勧氏をモデレータにむかえ,月額1万円の携帯サイトASPというユニークなサービスを提供するビートレンド 代表取締役社長 井上英昭氏からケータイを利用したマーケティングビジネスについて,C3Design 代表 マーク パーキンソン氏から海外のクロスメディアマーケティングの事例について,富士ゼロックスからはiGEN3の利用事例について紹介いただき,紙とデジタルメディアのコラボレーションによってマーケティング戦略がどう変化するかを考える。

C6 ネット動画がビジネスを変える(2/4 16:00〜18:00)

ストリーミングなどによる動画配信ビジネスが登場して久しい。最近では携帯電話においても動画機能は当たり前となっている。家電・放送分野でも動画のデジタル化が進んでいることを考えれば、「デジタル動画ビジネス市場」のパイは果てしなく大きいと言える。 Webにおいては「大規模な総合動画サイト」として、インプレスTVが最も長い歴史を誇る。パソコン関連の情報をはじめ,自動車やスポーツ,韓国ドラマなど幅広く無料や有料コンテンツを配信する。

また,目的が何であれ、これからはメディアの再利用が重要になる。特に動画は多様化しているので、今ブロードバンド用に準備したものでも、すぐに他のメディアでも扱える形にできるのが理想である。そのために重要となるのはメタファイルである。動画の情報につけたメタファイルと呼ばれる属性情報によって検索や編集を容易にすることができるからである。

セッションでは,インプレス インプレスTVカンパニー カンパニープレジデント 萩原和彦氏から,Webマガジンではなく「紙からWebへ」「文字からビデオ」がどのような過程で生まれ,現在の状況はどうなっているのか,アイ・ビー・イー 取締役CTO 竹松昇氏からはこれから重要になるMPEG-7、TV-Anytimeなどのメタファイルの標準規格の話も含めて、アイ・ビー・イーの持つ「ワンソース・マルチユース」のソリューションを紹介してもらい,最後にモデレータとスピーカーでディスカッションを行う。

プレゼンテーションとディスカッション動画ビジネスの現状と将来展望、そして、ワンソース・マルチユースのための最新技術を、主にブロードバンドの世界を中心に見ていく。

顧客サポートに必須のクロスメディア(1)
内容:PAGE2005 クロスメディアトラック(2/3)
C1 ネットが生み出す新ビジネス,C2 教育の柱となるeラーニング,C3 用途が拡がるBlog

PAGE2005http://www.jagat.or.jp/page/

2004/12/23 00:00:00


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