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プリンターズサークル2004年12月号

■特集オンライン印刷物制作が印刷ビジネスを変える

Web上で印刷物のレイアウト・組版,校正や印刷発注まで行うオンラインDTPソリューションが進みつつある。
どんな小さな仕事や定型的なデザインの仕事にも,従来のように営業担当者が足を運んで制作進行するスタイルでは時間的にもコスト的にもムダである。
結果,より効率的な体制を整えるためにはオンライン上のDTP制作は必然でもある。もちろん,どのような種類の仕事でも,オンライン上へ移行できるものではないが,多種小ロットのものや定型的な印刷物では,確実に増加をたどると思われる。これに対応できないと,それこそただ印刷だけを行う企業になるしかない。オンラインでDTPソリューションでは,より高い生産性と,より付加価値のあるページレイアウト能力がカギになるだろう。今月号では,オンラインDTPの行方とそのソリューション事例を紹介する。

印刷受発注をwin-winで結ぶネットワーク
社団法人日本印刷技術協会常務理事 小笠原治(おがさわら・おさむ)

名刺・年賀状から販売促進物関係へ広がるWebDTPソリューション
パワープリント株式会社

印刷発注を効率化するオンラインDTPシステムLayoutMagic
株式会社レゾロジック 代表取締役 池野弘明(いけの・ひろあき)

Webブラウザ上でチラシ作成するDocument retrieverシステム
ミールソリューションズ株式会社 代表取締役 横田史朗(よこた・しろう)


■Focus2004
読者は今,どこで何をしているのか?〜読者はどんどん見えなくなる〜

JAGATでは去る9月22日に,JAGAT技術フォーラム主催で「10年後の読者像」というシンポジウムを開催した。
日本のパソコンの代名詞であったNECのPC9801が登場したのが1982年。任天堂のファミコンが1983年,携帯電話もレンタル形式で1987年には登場している。パソコンの日常化とともに生まれ育った最初の世代が既に成人しており,後10年で30代になる。生活者としても消費の大きな担い手となり,ビジネスの中で中核になってくる。「パソコンとともに育った層」が紙メディアの新しい活用文化を今生み出しつつある。
今回のシンポジウムでは,『季刊・本とコンピュータ』編集長仲俣暁生氏をモデレータに,まさにパソコンとともに育った世代が社会の中核となった時,紙メディア,本がどのように求められるのかを,現状と10年後の展望の2部構成で探った。第1部では,出版事情に詳しい永江朗氏が,読書インフラとしての書店の変化と,それが読者にどのような変化をもたらしたかを講演した。第2部では,デジタルと紙を対立項で捉える感覚がない世代が市場の中心となる時代の読者像を考察した。
このシンポジウムから,本誌連載でもおなじみの永江朗氏の講演内容を抜粋して紹介する。

ライター 永江 朗(ながえ・あきら)
1958年,北海道生まれ。書籍の輸入販売会社に勤務後,フリーランスに。書籍流通の現場や若者の読書傾向の変化から見た出版事情に詳しく,第2期12号まで『季刊・本とコンピュータ』の編集委員も務めた。著書『〈不良〉のための文章術』(NHKブックス),『インタビュー術!』(講談社現代新書),『不良のための読書術』『ベストセラーだけが本である』(ともに筑摩書房),『批評の事情』『平らな時代』(ともに原書房)ほか多数。


■プリンターズサークル 仕事の教室
マーケターに変身するための企画提案力レッスン●企画提案を阻害するコミュニケーション不全/大槻陽一
SVGを使ったXML組版とWeb制作●SVGからPDFへ変換/岸 和孝

■連載
新規開拓の'正しいやり方'●新規開拓をやってはいるんだが,今一つうまくいかない訳とは!?/山田英司
実践 営業提案のコツ●ホームページに見る印刷会社の広報戦略2/高橋邦明
PDF/Acrobat道場●PDFを操るためのツール(1)〜お助け万能ツールPitStop〜/井上 務
Input Output●いかにすれば発注者の立場で提案できるか/小笠原治
気ままな印刷人日記●ミス誘発型 危険な責了 時限爆弾を抱えた下版/坂本恵一
DTPエキスパート認証試験対策講座●無線LAN●ルータの機能/山本広文

■Business Cafe
NewsClip
BOOKS●『仕事に使える2ちゃんねる』『だれが「音楽」を殺すのか?』/高木利弘
PUBLISHING●出版社再生のカギは何か/吉田直人

■PC企画特集
デジタルプリントの現状と今後 〜浸透〜→立読みページはコチラ

■PC Tech In
Adobe RGB 対応カラー液晶モニタ ColorEdge CG220/株式会社ナナオ

■データ・アイ●高まる資格取得への意欲 個人も会社も実務に役立つ資格を希望
■PDF/Xワークフローへの移行を目指して(2)
●「Enfocus PitStop Professional 6 日本語版」で行うプリフライト●PDF/X Conference 2004レポート
■NEW PRODUCT NEWS●印刷向け機能が大幅に充実したAcrobat 7.0 Professional
■印刷ビジネスレポート●出版社と共同で,美術館向けトータル・ソリューションを提供/日本写真印刷株式会社
■印刷会社通信●印刷サイズチェッカー/株式会社東海共同印刷→立読みページはコチラ
■カレイドスコープ●印刷解体 20世紀の印刷を支えてきたモノたち
■DTPエキスパート仕事の現場●後行程を見つめながら物作りをしていきたい/山田智子→立読みページはコチラ

 

2004/12/27 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会