座右の銘を教えてください
今回のテーマ「座右の銘を教えてください」,いろいろ考えがあります。要は本人の生き方の戒めとかガイドラインみたいなものでしょうね。
知り合いの社長は「一期一会」を座右の銘にしています。ビジネスマッチングや企業間アライアンスを得意とする企業ですから,人との出会いを大切にする社長のポリシーみたいなものです。
私もダジャレで作るとこんなことにもなります。
座右の銘=The you no May(そのあなた,五月はない)
私の座右の銘(左右の目)は1.5 なんてね。
まじめに考えますと,私の尊敬する人物は渋沢栄一です。
明治維新後,第一国立銀行,日本鉄道会社,サッポロビール,王子製紙,日本郵船などを創立し,日本型資本主義の父と言われた渋沢栄一は,「道徳経済合一主義」を提唱。清廉潔白な経済人としての姿勢を貫き,多くの人々の尊敬を集めた。現在の経済界は,渋沢栄一からその歴史を学ぶことで新世紀の日本のあるべき姿が見えてくるのではないだろうか?
「道徳経済合一主義」とは,
道徳と経済とは両者ともに進めていくもので,生産殖利の経済は仁義道徳によって発展し得られるもの,また,仁義道徳の人道は経済によって拡大するものである。
<渋沢栄一の座右の銘>
夢なき者は理想なし 理想なき者は信念なし 信念なき者は計画なし 計画なき者は実行なし 実行なき者は成果なし 成果なき者は幸福なし ゆえに幸福を求むる者は夢なかるべからず
(印刷会社Hello's)
座右の銘と言えば,これしかないと決まったものでしょうが,それほど確信している言葉などはなく,その環境・状況に応じて格言などを思うことが多い。
しかし,
苦しい時,悩んでいる時に思い浮かべるのは「Heaven helps those who help themselves」です。
多分皆さん英語の授業などで聞いたことがあると思います。「天は自ら助くる者を助く」ですから,ただの神頼みはダメだということで,「神も仏もないものか」という思いもちらと浮かぶのですが,この言葉のとおりだと思って,
結論は,まず自分から動かねばならないと思うのです。
「叩けよさらば開かれん」という言葉もありますが,これも扉の前で開けてよと願っても解決しない。開けてもらいたかったらまず「自ら叩く」ことが,始まりなのです。
エアロビクスで「がまの油売り」の口上ではないが,カガミに映る己の姿に恐れおののき,たらーりたらーりと脂汗を流しても解決しない。自ら自分の姿を受け入れ,美しいと思わなければならない。そう思うと,もっと美しくとか,美しさを維持しようと思うから努力もできる。自分が嫌いだとか,醜いと思ったら,家族を始めだれが奇麗だ,好きだと思うのでしょうか,すべてのことは自分が始めなくてはならない。
このようなことを象徴的に現しているのが,最初の格言?だと思っています。
(埼玉・商業印刷 常務)
今回のテーマについて40年近いサラリーマン生活において,常に自分に言い聞かせてきたこと,また若い人にチャレンジ精神の醸成と人間形成の面から常々言葉にしている
「成せばなる,成さねばならぬ何事も,成さぬは人の成さぬなりにけり」です。
上杉鷹山のような藩財政改革を成し遂げた歴史的人物の名言をお借りしていますが,現代の近代化された変化の激しい時代にこそ改めてこの名言について経営者のみならず,これから社会を築き上げていく若い人たちにも,人間としての成長の根幹を示す指針ではないかと思います。
根性や精神訓話の押し付けでなく,自分で考える能力をより高い目標で成長させることに加え,三人寄れば文殊の知恵の例えのごとく,一人の力の限界をグループによる集結化へと誘導していく根底は,正に「成せばなる」に直結していくものではないかと考えます。
どんな難解な問題にもひたむきなチャレンジ精神と人の知恵を出し合えるような,常に改革意識に燃えた組織を理想と思いつつ新たなファイトを奮い起こしています。
(東京飯田橋K.O.)
座右の銘というほどではないが,
「平常心」という言葉を強く意識する機会があった。
自社が火災に遭って工場の設備が壊滅状態に陥った日の朝,社員全員で「こういう時こそ平常心をもって,通常どおりの業務を行う」ことを申し合わせた。その言葉どおりに営業と製造を継続してお客様の信用をつなぎ止められたからこそ,現在に至るまで会社を倒さずに済んでいる。
(東京都・匿名希望)
現場のデザイナーから営業に移って1年弱。営業になった時は新規開拓専門で営業になったため,いきなり一人で飛び込み営業を掛けることになりました。
デザインの知識や経験はあるものの人と話すのが苦手だったのと言葉遣いも悪かったため,不安でいっぱいでした。
印刷の知識もない,営業経験もゼロな状況でどうしようという言葉しか頭に浮かばなかったのですが,1カ月ぐらい飛び込み営業を続けてて全然仕事が取れなかったんでかなり悩んでました。そんな時に「悩んでても仕方ないよな,何でもやってみなくちゃ分かんないじゃん」と開き直って飛び込んだら何と仕事が取れたんですよね。
それからはもう飛び込みは平気になりました。今でも「どうしよう」と思った時は「やってみなきゃ分かんない」「断られたらどうしよう」ではなく
「断られなかったらどうしよう」のプラス思考が僕の座右の銘です。
(名古屋・NETAXIS営業兼デザイナーdio)
同じ地区の昔からの同業者でライバルでもあった印刷会社と自社を詳細に比較検討をしてみると,意外に指向が異なっており,むしろタイアップしていけるのではないかと思えるほどだった。こちらが敵愾心を捨てて,受注品目でも自社よりも相手に合っているものはゆずり,場合によっては外注していくうちに,将来の合併もあり得るような状況になってきた。この間ふっと思ったのは
「汝の敵を愛しなさい」である。
通常は考えられない言葉であるが,ビジネスは競争とか戦いに例えられるが,競争相手を叩きのめして自分が利益を得るとか,自分の立場を守るというのは,やはり社会的には受け入れられない態度だと思う。マスコミなどで経営者の失敗に関する報道を見るにつけても,その失敗はその人の日ごろの心掛けや態度と関連している。
今日のビジネス環境で感じる第一は,
マーケットが有限であることだ。そこでのビジネスは同業者の競争で大混乱を引き起こしてでも,後でモトが取れるようなものは難しく,共存を前提にして考えるべきで,そのことから何らかの展望が見えてくるのではないか。競争相手が失敗するのをいい気味だと思って傍観するのではなく,できる範囲の手は差し伸べて,共に生き延びるよう心掛けたい。
(匿名希望)
2005/01/19 00:00:00