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若手に何を期待しますか

上司や会社は「若手に何を期待しますか」の前に,会社の上司は部下に「リーダーシップ」をいかに発揮できているか,会社として「ビジョンや目標設定」を部下にきちんと伝えているかによって,部下への期待度が変わってきます。
日ごろから「企画を出せ,アイデアをもってこい」と口うるさく言っても「出るくいは打たれる」といった企業風土や,部下の情報に無知や無関心な上司では,部下のやる気は低下するものです。
また社員の意識を変えることも難しいことです。上司が「部下の特性」を見極め,部下と「職場における人間関係」を良好なものに築き上げることが,部下のモチベーションを高め,やがては社員の意識を変えることになります。従って上司と部下の人間関係は,会社にとって重要なウエイトを占めます。そこで部下と良好な人間関係を保つには,
1. 部下の弱点はどんなところか
2. 部下の興味がある分野は何か
3. 部下の専門性を高めてあげれば,会社に有利なことは何か
4. 部下は,会社や上司から求められていることを理解しているか
5. 部下は,将来の自分や会社のことをどのように描いているか
6. 上司は,そのためには何をどのようにしていけばよいのか
というように上司は部下のハートをつかみ,上司自ら行動指針を示す必要があります。そうすれば「若手(部下)に何を期待しますか」が見えてくるものです。
企業はリーダーの理念や行動で到達点が変わります。ましてや中小企業は社長で変わると言っても過言ではありません。「リーダーのリーダーシップ」がその企業の未来を決めるのです。「若手に何を期待するか」を問う前に「社長,あなたは社員から何を期待されていますか」と言われますね。

(印刷会社Hello's)


月並みだけど,チャレンジ精神。恐れずに突き進むこと。マイナス思考でごちゃごちゃ言わない。しかしそれは個人の問題ではなく,企業文化として根付いてないと,とんでもないことになってしまうかもしれない。自分勝手な判断で突撃をされては,あちらこちらで問題を起こしかねない。単に売り上げを上げるために無謀なことをされても困る。
チャレンジの裏にはそれなりの知識や見識が必要である。これは教育や社内制度や管理システムなどである程度補うことはできる。そういう土台があった上で自己管理ができる前提で,モチベーションとしてはチャレンジ精神をもち続けてほしい。
先輩も模範を示さなければならない。先輩は現場の問題は若い人に任せて,企業のビジョンに沿って新たな事業にチャレンジしていなければ,若い人も付いていくことはないのではないかと思う。
(匿名希望)


今の若手は総じて,話をしてみればすごい情報量をもっていることが分かる。しかもデジタル,ITの技術は40代より30代,30代より20代と若いほど習熟度が高い。ところがこれらの情報量や技術が印刷の仕事と結び付いていない。
積極的に結び付けない会社も悪いが,若手も,自分の価値を仕事に向けて,深めようとしていない。何だか表面的な知識で薄っぺらなままなのである。
ちょっと消極的な言い方だが……,彼らにどんどん前向きにがんばってもらって,印刷の面白さ,魅力をもう一度気づかせてもらえないかと願っている。
(都下印刷会社 管理職 匿名希望)


最近,個人として趣味のホームページを立ち上げた。何人かの部下が既にもっていて,ぜひやってみるように勧められたからだ。
今時,個人のホームページなんて珍しくもないと言われそうだが,例えば英語が得意な新入社員は,時事英語の辞書を公開していて,企業からリンクの依頼によって,かなりの副収入も上げている。
会社としては副収入は勧められないが,新入社員が期待値以上のビジネスセンスをもっていることに驚かされた。
印刷会社の仕事内容も多様化し,顧客やライバルも様変わりする中で,期待以上の若手が入ってきているということは,新しいビジネスの大きな原動力になると思う。
教えているつもりが教わっていたというのは月並みな言い方だが,最近の若手を見て思うことである。
(東京・匿名希望)


有名な,電通の鬼十則は言い得て妙である。いわく
1. 仕事は自ら創るべきで,与えられるべきでない。
2. 仕事とは,先手先手と働き掛けて行くことで,受け身でやるものではない。
3. 大きな仕事と取り組め,小さな仕事はおのれを小さくする。
4. 難しい仕事を狙え,そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
5.取り組んだら放すな,殺されても放すな,目的完遂までは……。
6. 周囲を引きずり回せ,引きずるのと引きずられるのとでは,長い間に天地のひらきができる。
7. 計画を持て,長期の計画を持っていれば,忍耐と工夫と,そして正しい努力と希望が生まれる。
8. 自信を持て,自信がないから君の仕事には,迫力も粘りも,そして厚味すらがない。
9. 頭は常に全回転,八方に気を配って,一分の隙もあってはならぬ,サービスとはそのようなものだ。
10. 摩擦を怖れるな,摩擦は進歩の母,積極の肥料だ,でないと君は卑屈未練になる。
わが社はこのような行動規範を,少し柔らかくそしゃくして,若い人に伝えている。
(匿名希望)


営業担当者は入社年度の3月に必ずDTPエキスパートを受験しなくてはなりません。
DTPエキスパートの取得は以前から全社的に奨励されていましたが,全員受験という方針が打ち出されたのは,専門学校卒でDTPエキスパート資格を既に取得して入社してきた新入社員がきっかけでした。
専門学校を出たばかりで何の経験もない20歳の人間がもっている資格を,どうして印刷会社の人間がもっていないのかというわけです。
社長の号令の下,資格制度の意味付けがより明確になり,人事制度とのリンクも整備されました。
わが社の新人は大きな期待が掛けられている分大変ですが,期待にこたえる人材にはそれに十分報いる制度が用意されています。
実力主義,能力主義で人が育つ体制を今後とも維持していきたいと考えています。
(匿名希望)


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2005/02/24 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会