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印刷界 OUTLOOK 2005

2005年4月1日  印刷界OUTLOOK

2004年の日本経済を見ると,前半は景気の上向き傾向が継続していましたが,後半は景気回復はスローダウンして踊り場に差し掛かったと言われています。しかし,デジタル家電がヒットし,アメリカ・中国への輸出の伸びなどで,全般的には好調な年だったと言えます。
その一方で,企業は好調でも雇用や所得は十分に伸びず,好調の恩恵は個人には実感しにくかったようです。また,好調なのは一部の産業や企業だけで,多くの企業は引き続き厳しい状況にあり,日本の景気動向はモザイク模様の回復であったとも言えるでしょう。また,2004年の平均完全失業率は4.7%と前年の5.3%から4%台に回復しました。この面でも景気の回復傾向がうかがえます。
2005年は景気回復がスローダウンしますが,それも短期に抜け出し,再び景気は上向くと予想されています。しかし,企業は引き続き賃金を抑制しようと,正社員を賃金が正社員より劣るパートタイマー,派遣社員などへ置き換える動きが進んでいるようです。さらに,国民負担率の増加などで消費心理は盛り上がらず,デフレ傾向は持続するとされています。
印刷業はかつてのように景気回復の恩恵をそのまま享受できるような状況ではなくなってしまったようです。印刷業界を見ると,印刷物の生産量が大きく減っているわけでありませんが,全般に受注価格はかつてのように持ち直すこともなく,プリレス加工度が減少するなど,印刷業の売り上げ構造が変化して収益状況は厳しくなっています。そういった中で,印刷会社,クライアント側の一部にはITを活用しての受発注や制作の効率化を実現して実績を上げる企業も現れてきました。
クライアント側のプロモーションなどでは,印刷物が単体で利用されるようなことから,Webなどのデジタルメディアとの併用・融合が進んでいます。従って,従来の印刷ビジネスモデルの枠を越えて,IT時代に合った印刷ビジネスモデルを発想することが必要になっており,XML技術やWebなどを活用したクロスメディアパブリッシングへの対応が必要になっています。
また,利益を向上させるためにはさらなる生産性の向上が必要です。そこで,印刷物制作・製造全体を見渡してのボトルネックの排除,情報伝達の効率化などに視点を変える必要があります。そのために経営情報システム(MIS)を構築し,JDFやEDIなどを活用しつつ,印刷CIMを実現をすることが重要です。

● INDEX ●

(1)全国に印刷・製版会社はいくつ?
(2)全国に何人くらい仲間がいますか?
(3)1人が1年間に売り上げる額は?
(4)どんな得意先が多いのでしょうか?
(5)外注にはどのくらい出していますか?
(6)ひと月に何時間働いていますか?
(7)印刷物はどのくらい輸出・入していますか?
(8)オフ輪/印刷機の数はどのくらいでしょうか?
(9)インキは1年間でどのくらい使いますか?
(10)用紙の需要はどのくらいでしょうか?
(11)出版物はどのくらい発行されているのでしょうか?
(12)1年間の広告費はどれくらいでしょうか?
(13)ブロードバンド普及率は?
(14)DTP関連資格には何がありますか?
(15)印刷業の隣接業界

2005年4月号より

印刷界OUTLOOK

2005/04/04 00:00:00


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