経済産業省の「平成15年工業統計表 産業編」(概要版)によれば,2003年の印刷業の従業員数は,31万4976人で10年前の1993年と比較すると16.1%減で,製造業全体に比べるとまだ低い減少率ですが,それでも6万224人も減少しています。1998年まではほぼ横ばいですが,それ以降減少が目立ってきています。
全製造業の従業員数は,2003年に約866万人となっており,1993年に比較すると24.6%減少しています。長引く不況による失業率の増大,サービス経済化の進展による従業員構成の3次産業へのシフトなどが原因と思われます。
製版会社の従業員数は,2003年には3万8177人となり,1993年と比較して37.8%減で,2万3172人も大幅に減少しました。年々減少幅は拡大しており,この分野の衰退が懸念されます。
製本業は2003年には2万3336人で,10年前の1993年と比較すると,3925人減少(14.4%減)です。印刷産業全体(印刷・同関連産業)では,2003年は39万3221人で,そのうち印刷企業は,約80%を占めています。
全印工連(全日本印刷工業組合連合会)「平成16年度印刷業経営動向実態調査集計結果報告書」によると,回答企業547社の就業者数は,1社平均61.2人です。このうち役員,パート・嘱託などを除いた従業員数は51.6人で,男性38.9人,女性12.7人となっています。
業態別に1社平均従業員数を比較すると,包装印刷98.2人と最も高く,次いで商業印刷66.4人,総合印刷61.9人,出版印刷60.6人,最も少ないのが事務用印刷で33.8人となっています。
部門別の就業者数では,営業が1社平均12.1人で割合も19.7%と最も多く,次いで平版印刷9.0人,デジタルオペレータ7.2人,製本加工6.0人,総務4.0人などとなっています。
地域別にデザイン系職種の比較をしてみると,企画・デザイン・編集部門とデジタルデザイナー部門の合計は東京が1.9人に対して,四国8.1人,九州6.8人,東北4.0人などとなっています。東京では企画デザイン系の職種は,社外に独立して分散する傾向が見られ,一方,地方では自社内で確保する傾向が見られます。
(プリンターズサークル 2005年4月号より)
2005/04/12 00:00:00