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WebNativeを導入しコスト削減

セキスイハイムクリエイト株式会社
メディア・コンテンツ部 事業開発グループ
課長 
荻野 元宏 様

 セキスイハイムクリエイト株式会社は住宅および住宅資材,プラスチック製品などのメーカーである積水化学工業(株)のグループ企業であり,住宅・不動産事業を行なうセキスイハイムグループで使用される販促ツールの管理・配信を行なっている会社である。2002年,従来のポジによるデータ配送からWebNativeを導入しインターネット経由のデータ集配信に切り替え,その後の2年間で2000万円以上のコスト削減に成功している。
 今回は同社 メディア・コンテンツ部 事業開発グループ課長の荻野元宏氏に,WebNativeを使用したコンテンツデリバリ手法について話を伺った。

合計650拠点にデータ配信,年間1000万円以上のコスト削減に成功
 同社では,WebNativeをセキスイハイムグループの新築戸建住宅に関するコンテンツデータ配信サーバとして使用しているが,従来はコンテンツのポジフィルムを各拠点に渡していたという。「必要なポジをデュープする費用が年間で約1000万円かかっていましたので,その費用を何とかしたいと思っていました。また,仕様変更をすることが多く,変更を重ねて,撮影したポジがオリジナル画像とは呼べないものになってしまい,最新のデータを使うべきところを異なったデータを使用していたということもあったことから,画像データ管理も出来るシステムを導入したいと考えていました」。
 常時配信可能なデータは約4000点に上り,そのデータを全てWebNativeで一元管理している。各販売会社の本社,営業所,住宅展示場を合わせて全国に約600もの拠点,さらにカタログやチラシ制作を請け負う印刷・製版会社が50社以上存在。現在は250クライアントがデータの集配信を行なっている。カタログやチラシなどを独自に制作する販売会社やそれに関わる印刷・製版会社では印刷用の高解像度データをダウンロード,また営業所・展示場などでは,直接お客様に渡すPowerPoint提案資料を作成する際の画像をWebNativeのカスタムイメージオーダーを使用してJPEGファイルにしてダウンロードすることが多いという。
 ポジフィルムの配送からデジタルデータのインターネット経由での配信に完全に切り替えたことにより従来のポジフィルムのデュープにかかっていた料金がゼロになり,年間で1000万円のコスト削減に成功。さらに各拠点で重複してポジを分解していた費用,及びポジ配送のための宅配便,バイク便代を考慮すると,よりコストが削減されていることになる。
 同社が導入されたシステム構成は,基幹サーバにXserve,RAIDシステム120GB×8,またソフトウエアはサーバソフトウエアFullPress4クライアント,データ管理にWebNative,Ventureを使用。完全にコンテンツ管理システムとして特化して利用している。
 「画像管理システムを探していたところ,協力会社にDTPターボサーバーを紹介されました。他社の画像データベースシステムやシステム開発などもいくつか検討しましたが,DTPターボサーバーを選んだ理由は,画像データベース管理に加えてQuarkXPressやIllustratorなどのレイアウトデータもプレビュー管理できる点に惹かれたからです」。



カスタマイズを加えた使いやすいGUI
 同社では画像やレイアウトデータなどの静止画の他に別サーバで動画の管理もしており,また将来的にはMSOfficeデータの管理システムの構築も予定している。全ての拠点で使いやすいようにGUIをカスタマイズし,トップページからそれぞれの管理サイトにリンクできるようにしている。
 画像及びレイアウトファイルに関してはWebNative・Ventureを使用しているが,「商品名」「背景用カット」など分かりやすいように大まかな分類をし,さらにそこから検索出来るようにしている。該当のデータはショッピングバスケットに入れ,そのままダウンロード,もしくはカスタムイメージオーダーでファイル形式を変更しダウンロードする。「従来,プレゼンテーション用にカタログで使用していたデータをJPEG化し,CD-ROMに焼いて各販売会社に配送していたこともありましたが,手間などを考えると半年に一度程度しか出来ませんでしたし,コンテンツもカタログに限られていました。現在では図版やロゴデータなど,いつでもダウンロードすることが出来るようになりました」。
 また,一元管理により製版データの品質がほぼ一定になったことも導入したメリットであると荻野氏は感じている。「ポジを受け取った製版会社が各々で製版を行なっていたため,同じ画像でも仕上がりが大きく異なっていましたが,現在では全てオリジナルデータで渡せるので,仕上がりの差が少なくなり,色調管理にも役立っています」。

生成物全てのコンテンツ管理システムへ
 WebNativeを導入してまもなく3年,同社は販促素材だけでなくグループ全体のコンテンツの一元管理に乗り出した。「将来的には,素材だけでなく提案資料などビジネスドキュメント全ての一元管理を行なえるようにしたいと考えています」と荻野氏。MSOfficeファイルの管理を予定しているのも,そこにつながっていく。「たとえば各営業所で作成されているようなPowerPointでの営業ツールです。それらのデータも一元管理することで,各拠点でどのようなことが行なわれているかという確認にもなり,また営業ツールの共有という意味でも有効です。提案資料でも,社名さえ変えればどの拠点でも使用できるといったことが可能になります」。すでに数千万円規模のコスト削減を実現している同社であるが,さらなる効率化,情報共有に向け,セキスイハイムグループの販促活動を支援している。

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『プリンターズサークル 2005年5月号より』

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2005/05/31 00:00:00


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