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Webビジネスで効果を発揮するSEO

イー三六五株式会社 林 昌孝

Webに情報があふれ,多種多彩な情報が毎日更新されている現在,インターネットユーザの行動は「検索」がベースになっている。興味があること,知りたいことがあれば,まずYahoo!JAPAN(以下,Yahoo!)やGoogleで検索し,検索結果に表示されたWebサイトを順番に回る。これが一般的なインターネットユーザの行動パターンである。そこで注目を集めているのが,「SEO」と呼ばれる検索エンジン対策だ。今やWebビジネスに不可欠とまで言われているSEOを改めて考えてみたい。

なぜ検索ユーザ獲得が重要なのか

Yahoo!が2005年4月に実施した調査によると,80%のネットユーザがWebサイトを知るための情報源として検索エンジンを使っているとの結果が出た。そこには,アクションを起こす前に,まず検索エンジンで情報収集するユーザの姿が見て取れる。つまり,まず検索エンジンを攻略しないことには,その向こう側にいるユーザにリーチを伸ばすことができないのだ。東京都墨田区で印刷業者を探しているユーザがいたとする。当然のように彼は「墨田区 印刷」と検索を掛けて,検索結果に出てきた印刷業者サイトを一番上から順番に訪れるだろう。そして,いくつかのWebサイトを比較して,自分が想定していた条件に一番近い印刷業者に仕事を依頼するはずだ。これが現在の一般的なネットユーザの行動パターンである。
ここで重要な点は,墨田区で印刷を営んでいて自社サイトもちゃんともっていたとしても,「墨田区 印刷」の検索結果にヒットされなければビジネスチャンスすら発生しないということ。検索結果上位に表示されるほど,ビジネスチャンスは増えるということである。つまり,Webをビジネスの手段として活用したいのであれば,検索エンジン対策は外せない。むしろ,検索エンジンを味方に付けないことにはWebビジネスは始まらないといっても過言ではない。そして,その手段として登場するのが,「SEO(Search Engine Optimaized:検索エンジン最適化)」である。
ユーザにとって有益で見やすいWebサイトを作ることは大前提だが,その上で同レベルのコンテンツをもつ2つのサイトがあれば,検索上位に来るのはSEO対策を施したほうである。現在,企業サイトはたとえ零細企業といえども,コンテンツが充実してきている。今後,企業サイト間でコンテンツの質で差が付きにくい状況になっていくはずである。SEOに即効性はなく,すぐに検索結果に反映しないことを考えれば,SEOは早く始めたほうが断然有利であることは言うまでもない。

SEOとは何か?

「SEO」は,検索エンジンの検索結果上位に自社サイトを表示させるためのテクニックであり,検索エンジンをWebビジネスの武器に変えるための最良の手段である。
japan.internet.comとインフォプラントが2005年2月に行った調査によると,64%のユーザが検索結果ページを平均で3ページ以内を見ると答えている。国内検索エンジンの雄,「Google」は,(デフォルトの状態では)1ページに10件しか検索結果が表示されないので,64%以上のユーザは40位以降の検索結果は目にしない,ということだ。検索結果100位と言ったら,ほとんど絶望的と言ってもいい。そこでSEOの出番となる。検索結果1位や2位になることは難しくても,40位以内に入ることはある程度のSEOで十分可能である。
ためしに「墨田区 印刷」のように「貴社の所在地 業種」でGoogleで検索していただきたい。10位以内ならSEO的に文句なし,40位内なら及第点と言えよう。もし,検索結果40位以内に入っていないならば,早急にSEOに着手すべきだ。万が一,順位以前に検索結果の中にすら貴社サイトが入っていなかったら,危機感をもって一刻も早くSEOを施すべきである。かなりの危機的状況であり,これを読んでいる間にも,多くのユーザが検索エンジンを使い,貴社サイトの存在すら気づかないまま,検索結果上位のライバル企業サイトを訪れているはずだ。貴社サイトは,機会損失ならぬ機会無縁に陥っていないだろうか? ある旅行会社サイトがある。以前は「航空券」で検索しても,その会社サイトが検索結果100位内にも表示されなかった。旅行会社サイトとして致命的である。それがサイトリニューアルを機にSEOを施した結果,「旅行券」での検索結果5位以内に入ることができ,今まで全く売れなかった航空券も順調に売れ始めた。このように,Webサイトの成果は,検索結果と密接にリンクしていると言っても過言ではない。
それでは,検索エンジンユーザの誘導を左右する検索結果順位は,どのようにして決められているのだろうか? 検索エンジンは与えられた検索キーワードに,関連性・重要度が高いと判断したWebページを検索結果として表示する。順位付けのアルゴリズムは,まず検索キーワードがページ内に適度に含まれていることが大前提で,「印刷」で検索した場合,「印刷」という言葉が含まれているページがピックアップされる。逆に,どれほど印刷に関係が深い内容であっても,Webページ内に「印刷」という単語が入ってなければ,検索結果には出てこない。検索キーワードが含まれているWebページがピックアップされたら,検索エンジンはアルゴリズムに従って順番に並べ,検索結果として表示するが,検索順位のカヒを握る基準とは何だろうか?

『プリンターズサークル』8月号より

2005/08/08 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会