電子政府・電子行政などの考え方が進展しつつあり,一部ではPDFドキュメントによる電子申請が現実化しつつある。 たとえば製薬業界における新薬の申請には,通常でも数万ページにおよぶ書類を作成し提出する必要がある。数万ページの印刷物では,検索や索引など,審査をおこなう際にも影響がある。PDFによる電子申請を実現することにより,検索性や「しおり」など迅速で確実な審査の上でも有用であるという。
PDFドキュメントによる電子申請が進展することにより,そのデータから印刷物を作成することも容易となる。
また,通常の印刷物を発注する企業にとっても,電子データからPDFを作成し入稿をおこなうことで,コストや校正の手間の削減,品質の安定を図ることが可能である。しかし,完全データとしての品質保持をいかにおこなうかなど,新たな課題が浮上してくる。
発注元における品質保証やチェック手法などは,印刷制作会社にとっては新たな提案の糸口となるかもしれない。
本ミーティングでは,製薬業界におけるPDF電子申請の状況と課題,さらに,印刷物制作におけるPDF入稿と品質保証の手法について取り上げ,今後のPDF入稿のあり方と課題について考察する。
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