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2次元コードの活用と文書読み上げ装置(研究会 速報)

廣済堂スピーチオ販売株式会社 代表取締役社長 深見 拓史氏

2次元コードの活用と文書読み上げ装置

近年,携帯電話をリーダーとすることが出来るようになり,QRコードなどの2次元コードが普及した。バーコードと違い,情報量が多いのが2次元コードの特徴である。

SPコードとは廣済堂が制定した2次元シンボルで,日本語800文字を記録でき,さらに専用の音声合成装置により音声変換することができる。SPコードを作成するには,専用のソフトウェア(無償版と有償版あり)を使用する。MS Wordのテキストからコードを生成することができる。
「スピーチオ」は,SPコードから音声合成し,読み上げる装置である。2003より厚生労働省が視覚障害者の「日常生活用具」として指定しており,視覚障害のある方は自己負担なしで入手できる。

全国各地の自治体や,警察,一般企業,各種団体で,SPコードを印刷物に採用する動きが広がっている。

印刷物のユニバーサルデザインと2次元コード

小川印刷株式会社 ユニバーサルデザイン事業部 部長 渡辺 慶子氏

ユニバーサルデザインとは,すべての人が出来る限り利用できるよう配慮された計画・設計を意味する。街・交通・住居から日用品・食料品,サービス・コミュニケーションまで広範囲に適用される。

印刷会社の取り組みとして,バリアフリーの観点では点字・大活字本・触知図・音声テープなどがある。また,最近では東京都印刷工業組合墨田支部が,色覚バリアフリーのためのガイドブックを発行している。
高齢者や外国人の増加もあり,さまざまな利用者に配慮した情報の複線化が必要とされている。そのための情報ツールとして,Webサイトや音声文書,2次元コードがあると言える。

東京都江戸川区のバリアフリーマップは,小川印刷が編集・印刷を担当し,発行した。文章ページ・地図ページとも,SPコードを配置し,音声読み上げに対応している。点字が読めない,パソコンが苦手な方にも好評である。

2005/11/08 00:00:00


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