CTP時代のプルーフ技術とクリエイティブ・印刷ワークフロー(研究会速報)
■CTP時代の色校正の実態と展望
コニカミノルタグラフィックイメージング株式会社 マーケティング部 課長 黒岩 祥晃 氏
2000年時点の色校の製造手法比率として,本紙校正刷り(平台,本機)の割合は92%であった。
色校での悩み=平台校正,本機校正の課題であり,具体的には
・高コスト
・かかる時間
・本機刷りとの色マッチング
・色の不安定さ
・職人必要
などがある。
また,国内CTP化率を見ると,現在50%を超えている。
CTPワークフローの色校手法を考えたとき,校正をDDCPで展開することにより,初めてCTP・印刷機の稼働率が向上し利益の出やすい構造へ変化できる。CTPを本格的に使いこなすにはDDCPは必須である。
2005年の色校の製造手法比率は,本紙校正刷り(平台,本機)の割合は52%,ハイエンドDDCPは37%,インクジェットプリンタ他は11%である。5割弱がデジタル色校にシフトしたが,まだ半分以上は校正刷りである。
印刷・製版会社が困っている校正刷りを,ハイエンドDDCPを利用したデジタル色校にシフトするためデジコンプロを活用していただきたい。
■ソフトプルーフの動向と液晶モニターの技術
(TN,VA,IPSのドライブ方式,AdobeRGBモニター,ソフトプルーフの動向)
株式会社ナナオ 企画部 マーケティング担当部長 山口 省一 氏
ソフトプルーフとは,モニタで印刷結果をシミュレーションすることである。
メリットとして,色校正のリモート化,校正出力を減らす(コスト、時間)などがあげられる。
ソフトプルーフに必要な要素は,信頼できるモニタ,出力機の正確なICCプロファイル,印刷標準ICCプロファイル,カラーマネジメント・システム,印刷物評価環境などがある。
CMYKオフセット印刷の色域とsRGBが重ならないことや,デジタルカメラがAdobeRGBをサポートしたことから,モニタにおける色域拡大の要求が高まってきた。
AdobeRGBの色域をサポートするモニタを使用することで,以下のメリットがある。
・デジタルカメラのAdobeRGBデータをそのまま表示
色域マッピングが殆ど無い
広色域プリンターの印刷シミュレーションが正確
・モニタ上でのCMYKオフセット印刷の色確認精度が向上
色域マッピングがほとんど必要無い
Cyan, Green, Yellowの表示が正確
広色域印刷のシミュレーションが正確
正しいモニタを選び,キャリブレーションを実行し,印刷物評価環境を整えることが重要である。そして,ソフトプルーフによる品質改善やコスト削減が可能になる。
2006/01/11 00:00:00