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印刷関連市場、資材統計から見る景況

市場動向

9月、10月の書籍・雑誌販売金額前年比はそれぞれ▲5.7%、▲6.3%と大幅な前年割れになった。書籍が2ヶ月連続で10%以上のマイナスとなったことが大きい。昨年同月が好調だったことの反動と昨年のような大ヒットがなかったことが原因だという。返品率も昨年比4%強上昇している。雑誌は9月が▲1.8%、10月が▲3.1%と2ヶ月連続の前年割れである。コミックスは好調だが、分冊百科と週刊誌の低迷が原因である。ただし、発行部数はマイナスにはなっていない。

広告業売上前年比は9月に3ヶ月ぶりに6.5%増で前年を上回り、10月も3.4%増と2ヶ月連続で前年を上回った。1月からの流れで見ると、8月までの低迷傾向が急速に回復しているように見える。内訳を見ると、マス4媒体の前年割れと折込・ダイレクトメールおよびSP/PR/催事企画の好調という状況は9月、10月も続いている。テレビとともに前年割れが続いていた新聞は9月に久しぶりに前年を上回った(3.4%)が10月は再び落ち込んだ。交通広告も少し持ち直してきたようだ。

仕事の状況

8月に3ヶ月ぶりに前年を上回った一般インキ出荷販売量は、9月には▲0.5%と再び前年割れになり、10月も▲1.4%で不調だった。樹脂凸版、金属印刷、グラビアインキはこの2ヶ月もマイナスとなり長期低落傾向に変化は見られない。そのような中で全体の動きを規定するようになってきている平版インキは、8月は6.2%増、9月は1.1%増とプラスであったが、10月は▲2.3%と前年割れになるなど、6月以降はかなり不安定な動きになっている点が気がかりである。

印刷情報用紙の出荷高前年比は、水面すれすれでプラス・マイナスを繰り返す推移になっている。9月、10月それぞれについて品目別に見ると、非塗工紙では9月が▲2.1%、10月▲1.3%、塗工紙は、全体としては▲1.6%(9月)、▲1.5%とマイナスが続いているが、軽量コート紙は1.1%増(9月)、▲0.2%と悪くない。微塗工紙は9月の7.2%増に続いて10月は9.4%とさらに大きく伸びている。10月のフォーム用紙前年比は▲1.0%であった。

(「JAGAT info 2006年2月号」より)

2006/03/07 00:00:00


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