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印刷関連市場、資材統計から見る景況

市場動向

11月の書籍・雑誌販売金額前年比は▲5.2%で、9月(▲5.7%)、10月(▲6.3%)に続いて5%を越える大幅な前年割れになった。書籍が、前2ヶ月ほどの大幅なマイナスではないにしても▲1.2%のマイナスとなり、雑誌はマイナス幅を広げて▲7.5%になった。書籍は前年の水準が高かったということだが、翻っていえば、昨年の好調はトレンドとしての回復ではなく、一時的な現象だったということになる。返品率も増加しており、不振に逆戻りである。

広告業売上前年比は9月以降、3ヶ月連続で前年を上回った。ただし伸び率は、9月の6.5%増から10月の3.4%増、11月2.4%増と鈍くなっている。 媒体別では相変わらずテレビが悪く(▲4.4%)7ヶ月連続のマイナス、シェア第二位の新聞も▲5.9%と10月に続く前年割れである。 良いのはSP/PR/催事企画で8.4%増と相変わらず高い伸びを示している。交通広告も4.8%増と4ヶ月連続で前年を上回っている。一方、折込・DMは▲1.7%と、久しぶりで前年を割り込んだ。

仕事の状況

8月に3ヶ月ぶりに前年を上回った一般インキ出荷販売量は、9月には再び前年割れになり11月は▲1.3%と3ヶ月連続の前年割れになった。樹脂凸版インキは0.5%増でほぼ前年並みを保ったが、金属印刷(▲0.8%)、グラビアインキ(▲3.9%)はマイナス傾向がとまらない。中小印刷業にとって重要な平版インキの11月の出荷販売量前年比は▲0.5%と2ヶ月連続で前年を下回った。9月以降の平版インキの動きは、月次印刷業動向調査結果と逆行しているが、その理由はよくわからない。

印刷情報用紙の出荷高前年比は、水面すれすれでプラス・マイナスを繰り返す推移になっているが、11月はやや上向いて2.0%増となった。情報用紙は全体として2.6%増になったが、フォーム用紙は0.0%で10月(▲1.0%)に続いて一時期の勢いが見られなくなった。印刷用紙では、非塗工紙が0.2%増とわずかだか前年を上回った。中級紙が大きく伸びた(7.0%)からである。コーティッド紙では相変わらず微塗工紙が好調(7.3%増)だが、塗工紙全体は0.8%増に止まった。

(「JAGATinfo 2006年3月号」より)

2006/04/01 00:00:00


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