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デジタル化した先は、データの運用能力が問われる

ファイルサーバに必要か不必要か判らないものがたまって、「サーバは倉庫ではない!」と怒り出す人が出始めてはいないだろうか? ではどこへ持って行けばいいのだろうか? オフラインは気休めで、廃棄に等しいことを我々は経験してきた。オープンの磁気テープ、8インチFD、5インチMOなど、そのうち遺物になるのである。オフラインはデータがどこにあるかの管理が難しいだけでなく、物理的にも多くの障害があった。

フルデジタルの印刷物制作ワークフローになって、またQuarkのXTentionなども使うようになって、相当のボリュームの仕事もDTPでこなせるようになった。例えば、毎年のリピートの仕事を、また来年効率的に行うための準備はできているのだろうか? 毎月データを更新すれば、年次にまとめて出す時には昨年よりももっと機動性が発揮できるし、年次でなくとも四半期ごととか、分野ごとに分けて多様な出版ができるかもしれない。

地下鉄サリン事件が起こった時点で、松本サリン事件の時の取材生データがすぐに参照できただろうか? 各報道にとって取材データは資産であり、取材のデータをどれだけ生かせるかというシステムの力の差は、資産運用能力につながる。情報企業にとってデータ運用能力の高さは根幹なのである。

以上3つの話は別の現象のように見えるかもしれないが、すべて同じことの現れ方の違いである。しかもこのことは、大小の違いはあっても、どこでも起こることなのである。つまり、オンラインでデータ管理がされるようになることと、データ管理はデータベースになることと、データベースではマルチメディアまで扱うようになることである。

しかし誤解がないようにいっておくが、これらがひとつのシステムになるということではない。さまざまなシステムがオンラインで連携するようになると考えた方がよい。このように、企業にとって資産である情報をうまく運用するシステムとして、デジタルアセッツ管理をもっと充実させなければならないとか、それぞれの戦略からみたアセッツ管理システムの作り方が、隠れたキーポイントになっている。

アセッツ管理やコンテンツ管理については、一昨年からたびたび取り上げているので、コンテンツマネージメントを実現するBANTAのCentrusや、コンテンツに接近すれば価値が出る、またPublishing Systemの変化などを参考にして欲しい。

この問題はPAGE2000のなかでもいろんなセッションに関連する要素である。アセッツ管理そのものは、クロスメディアトラックでとりあげるが、この中ではQuarkのDAM(デジタルアセッツマネジメント)であるQDMSについての説明も行われる。

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2000/01/20 00:00:00


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