景気の底打ち感が見られ、景気回復基調になってきた日本経済ですが、デフレの継続、国際競争の激化、勝ち組み負け組みといった2極分化の流れなどにより、依然として国内の全製造業の事業所数は減少傾向にあります。
経済産業省の「平成15年工業統計表 産業編」および、「平成16年工業統計表 産業編」(概要版)によれば、2003年の全製造業の事業所数(従業員4人以上)は前年比1.1%の微増で29万3911であり、2004年では前年比7.8%の大幅な減少となり27万906となっています(2003年は悉皆(しっかい)調査であり、2004年の推計とは調査条件が若干異なることに注意)。10年前の1994年と比較すると29.2%減で、11万1919も減少しています。
従業員4人以上の印刷業では、2003年に1万4996、2004年に1万3796となっており1200の減少(8.0%減)、94年と比較すると21.5%減で3788の減少となっています。印刷業も厳しい状況にあり、M&Aなどの業界再編・淘汰は進んでいます。
従業員4人以上の製版業の事業所数を見てみると2003年の1781から2004年には1581となり、前年比11.2%減で200の大幅な減少となりました。94年には3365でしたから、この10年で1784と半減しています(53.0%減)。これはデジタル技術の進展により、DTP/CTPの浸透が加速した影響と考えられます。製版会社の経営環境は一層厳しい状況です。
製本業(従業員4人以上)は2003年1528、2004年で1417と111の減少(7.3%減)、10年前の94年の1844と比較して427の減少(23.2%減)になっており、印刷業の減少幅と同調しています。
印刷産業全体(従業員4人以上)では、2003年1万9621、2004年で1万7954と8.5%の減少、94年の2万4154と比較すると、6200の減少(25.7%減)となっています。
印刷企業の規模別構成比(2003年)を見ると、全体として印刷業は中小主体となっていますが、従業員10人未満の企業が全体の76.1%と前年(76.8%)から低下し、上位集中化が若干進んでいます。
2006/04/14 00:00:00