全印工連「平成17年度印刷業経営動向実態調査集計結果報告書」によれば、2004年中小印刷業の受注先の業種別売上高順位は、全国で卸売・小売・飲食店が14.5%(前年比0.5ポイント減)を占めトップとなっています。2位は新聞・出版業で13.1%(同2.4ポイント増)、以下印刷業12.4%(同0.5ポイント増)、その他製造業9.3%(同0.7ポイント減)、広告・放送情報サービス8.8%(同0.6ポイントの減)、官公庁7.0%(同0.1ポイント減)、その他サービス業6.5%(同0.4ポイント減)となっています。
上位業種の顔ぶれは、3位までほぼ定着しておりあまり変動はありませんが、今年は2位と3位が入れ替わり、印刷が3位に落ちました。2004年は「新聞・出版業」の大幅な増加により「印刷業」を超えて逆転現象が見られました。
2004年の出版業は8年ぶりにプラス成長したことや、フリーペーパーやフリーマガジンの増加などが、その要因と推測されます。
以下は地域別の中小印刷業の上位得意先業種です。
・北海道:卸売・小売・飲食店(22.0%)、印刷(18.4%)、新聞・出版(13.4%)、学校・各種団体(13.2%)
・東北:印刷(16.1%)、卸売・小売・飲食店(13.0%)、広告・放送・情報サービス(12.7%)、官公庁(11.6%)
・関東甲信越静:卸売・小売・飲食店(25.8%)、官公庁(11.2%)、新聞・出版(10.5%)、印刷(8.3%)
・東京:新聞・出版(21.1%)、印刷(17.3%)、その他製造業(15.1%)、広告・放送・情報サービス(8.7%)
・中部:食料品(16.9%)、卸売・小売・飲食店(16.3%)、その他製造業(10.6%)、印刷(10.2%)
・近畿:食料品(13.7%)、卸売・小売・飲食店(12.2%)、その他製造業(11.6%)、化学・石油・石炭製品・ゴム・土石製品・窯業(9.3%)
・中国:卸売・小売・飲食店(18.7%)、新聞・出版(18.1%)、印刷(13.6%)、広告・放送・情報サービス(10.0%)
・四国:卸売・小売・飲食店(19.4%)、新聞・出版(17.7%)、印刷(15.7%)、広告・放送・情報サービス(8.5%)
・九州:卸売・小売・飲食店(22.1%)、広告・放送・情報サービス(14.0%)、その他サービス業(10.0%)、官公庁(9.6%)
東京は地場産業とも言える新聞・出版がトップです。大都市圏では大手民間企業が集中している一方、地方では有力な民間企業が少なく、比較的官公庁が上位に来る傾向があります。
2006/04/22 00:00:00