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外注にはどのくらい出していますか?

印刷界OUTLOOK2006(5)

2006年4月1日 印刷界OUTLOOK2006 一覧

●1社当たり約2億9589万円を外注に

全印工連「平成17年度印刷業経営動向実態調査集計結果報告書」によれば、回答企業474社の1社当たりの2004年の純売上高は11億6983万円、外注加工費は2億9589万円で、外注加工費が純売上高に占める割合は25.3%となっています。これは2003年度に比べ0.7ポイント程度増加しており外注化は進んでいます。
回答334社(全国印刷業)の1社平均、外注加工費の内訳は、印刷代が34.9%(1億425万円)で最も高く、印刷会社の主要得意先が印刷会社であることを裏付けています。次いで、製本・加工代22.7%(6774万円)、その他16.6%(4953万円)、デザイン・イラスト・編集等11.2%(3356万円)、写真製版代8.2%(2444万円)と続きます。
印刷代、デザイン・イラスト・編集等は増加傾向、一方、写真製版・組版代は減少傾向にあります。デザイン・イラスト・編集等が増加しているのは、DTP化が浸透し、情報ネットワークのブロードバンド化が進んだことにより、データのやり取りがスムーズになることで外注へのデータ転送がスムーズになっていることも要因の一つと考えられます。
業態別では、純売上高に占める外注費の割合で見た場合、出版印刷が32.3%と最も高く、その内訳は、印刷代35.4%、製本・加工代21.8%、写真製版代10.5%です。次いで商業印刷が25.0%となっており、その内訳は、印刷代38.0%、製本・加工代18.7%、その他15.4%です。さらに総合印刷が24.0%で続き、内訳は、印刷代31.7%、製本・加工代24.7%、その他22.9%となっています。

●付加価値が増加傾向の印刷業

加工高(純売上高から外注加工費、材料費、商品仕入代を引いたもので、企業の創出した付加価値と見なし得る)は、2004年1社当たり5億6196万円で、純売上高に対して占める割合は48.0%(前年47.6%)と増加しました。
材料費は21.3%(前年21.7%)、商品仕入高は5.4%(前年6.1%)と前年と比べておのおの減少しています。従って、外注加工費の割合25.3%(前年24.6%)が0.7ポイント増加したにもかかわらず、材料費および商品仕入代が1.1ポイント減少することによって、総じて加工高が低下傾向を示しています。


2006年4月号より

印刷界OUTLOOK2006 一覧

2006/04/24 00:00:00


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