日本製紙連合会の調査発表によると、2004年の紙・板紙の国内需要(国内出荷+輸入±流通在庫増減分など)は、前年比1.8%増の3192万トンとなり、3年連続で増加しました。
紙・板紙は、需要別に大きく印刷・情報用、包装・加工用、衛生用の3つに分けられます。印刷・情報用とは、印刷に使用する塗工紙・非塗工紙、新聞用紙などです。包装・加工用には、紙器や段ボール用の板紙などを含みます。衛生用とは、トイレットペーパーやティッシュペーパーなどです。
2004年は景気回復動向を受けて、商業印刷需要が活発で印刷・情報用が2.6%の需要増になったほか、広告出稿の回復もあり新聞用紙も2年ぶりに増加しました。衛生用は近年170万トン台を維持して堅調に推移しています。
かつてはデジタル化によって紙需要の減少が予想されましたが、現状では紙需要の増減は、景気動向に左右されていると言えます。しかし、よりデジタル化が進展することで、メディアの形態も多様化しており、紙・板紙の需要は今後大きく伸びる要因は少ないと予想されます。
10年間の需要構造の変化を見ると、1994年は包装・加工用が49.4%、印刷・情報用が45.2%、衛生用が5.3%で、包装・加工用が需要のほぼ半数を占めていましたが、2004年には印刷・情報用が49.3%、包装・加工用が45.3%、衛生用が5.5%で、印刷・情報用がほぼ半数となりました。
PPI ANNUAL REVIEW(Paperloop)によると2004年の国別の紙・板紙消費量は、米国が9226万トンと突出しており、以下中国5439万トン、日本3143万トン、ドイツ1944万トン、イギリス、イタリアと続きます。これを国民1人当たりの紙・板紙消費量で見ると、トップが米国312kgで、次が日本246.6kgで、以下ドイツ(235.9kg)、カナダ(222.5kg)、イギリス(209.8kg)と、上位には先進国が並びます。
近年、環境意識の高まりから資源の有効利用が求められていますが、PPI ANNUAL REVIEW(Paperloop)によると2004年の国別の古紙利用率は韓国が79.6%、日本は60.7%、ドイツ59.7%、以下中国、フランス、イタリアが50%を超える利用率となっています。
2006/05/12 00:00:00