2005年の日本経済を見ると、2004年からの景気回復動向を受け、依然としてデフレは解消されないままながらも、内需・外需とも堅調に推移、景気の回復に拍車が掛かり、本格的な成長軌道に乗り始めたとの見方もあります。しかし地方では、まだ景気回復の実感は感じられないという声もあります。
雇用情勢も2005年12月には失業率が4.4%に低下して、有効求人倍率も1992年9月以来の1倍となりました。05年の平均完全失業率は4.4%(前年4.7%)と3年連続で低下し、また賃金も下げ止まりの動きが見られ、夏季・冬季賞与も改善が見られました。雇用情勢や景気回復を受けてか、個人消費も緩やかながら上昇しています。
2006年は長らく続いたデフレ経済が解消され、景気は着実に回復傾向が続くものと予想されています。
しかし印刷業は、かつてのように景気回復の恩恵をそのまま享受できるような状況ではなくなったようです。印刷業界を見ると、印刷物の生産量が大きく減っているわけでありませんが、全般に受注価格はかつてのような水準にはありません。プリプレス加工度が減少するなど、印刷業の売り上げ構造が変化して収益状況は厳しくなっています。多くの会社がリストラや人員削減などで収益性の改善に取り組んでいるようです。
そういった中で、印刷会社、クライアント側の一部には、ITを活用しての受発注や制作の効率化を実現して実績を上げる企業も現れています。今後、このような会社が増えることが予想されます。また、クライアント側のプロモーションなどでは、印刷物が単体での利用から、Webなどのデジタルメディアとの併用・融合が進んでいます。従って、従来の印刷ビジネスモデルの枠を越えて、IT時代に合った印刷ビジネスモデルを発想することが必要になっており、XML技術やWebなどを活用したクロスメディアパブリッシングへの対応が必要になっています。一方、利益を向上させるためにはさらなる生産性の向上が必要です。そこで、印刷物制作・製造全体を見渡してのボトルネックの排除、情報伝達の効率化などに視点を変える必要があります。そのために経営情報システム(MIS)を構築し、JDFやEDIなどを活用しつつ、印刷CIMを実現をすることが重要です。
本号では、印刷業を外観する際の参考となるよう、印刷・製版業界に関するさまざまなデータを各種統計から選び出し、「印刷界OUTLOOK2006」としてまとめました。
制作に当たり、関係各省庁、関連業界の各種調査統計資料を参考にさせていただきました。出典資料の版元各位に厚くお礼を申し上げます。 (編集部)
商業印刷分野ではCTPの普及によって、FMスクリーンの導入が増えている。その再現性が顧客へ向けての高品質をアピールすることになるほか、モアレ防止などの品質管理面でのメリットもある。
同様に新聞印刷の分野でもFMスクリーン採用は広告主、広告代理店などへ大きなインパクトを与えるようだ。新聞分野でいち早くFMスクリーン導入を図った朝日新聞の取り組みを紹介する。
●最終回 デジタルカメラの歴史/豊田堅二
●マーケティングの目的は「当事者感」の醸成にある/大槻陽一
●虎穴に入らずんば虎子を得ず/苅田和房
●ユニバーサルデザインって何? その1/渡辺慶子→立読みページはコチラ
●売り上げ拡大のための行動フロー/山田英司
●クロスメディア化はいろいろな視点で/小笠原治
●新地平を切り開くか、新PDF/Xの最新動向〜新国際規格PDF/X-4、PDF/X-5の紹介〜/井上 務
●入稿データ周りのトラブル/古殿竜夫
●DTPデータの帰属●DTPによる最終出力/東 陽一
●フォント その1
BOOKS●『色彩デザイン(常用デザインシリーズ)配色技術専門マニュアル』『印刷史/タイポグラフィの視軸』/澤田善彦
PUBLISHING●ベストセラーランキングは新書が花盛り/永江 朗
フルカラーバリアブルプリンティングシステム Truepress Jet520
●新たな発想はいかに生まれるか
●ビジュアル・ワークフローの確立で課題を解決 ActiveAssets
●消費者のためになった広告コンクール展―アド・ミュージアム東京
●常に自信をもってデザインの仕事と関わりたい/小緑淳子→立読みページはコチラ
2006/04/28 00:00:00