DTP関連にはいくつかの資格制度があります。1994年にスタートした日本印刷技術協会が主催するDTPエキスパート認証試験制度は、1期から24期までに延べ3万5000人以上が受験して、累計で1万4712人の合格者が出ており、印刷関連業界では広く認知されるようになりました。
この試験の目的は、激しく変化する情報技術環境の中で、印刷メディアを時代に合わせて革新していく知識を有する人材の育成にあります。また、DTP化で印刷業界以外の人が印刷物制作に関わるようになり、より良い印刷物を制作するための知識の習得も求められています。
第24期の業種別受験者は、印刷・製版・出力センターが68.4%を占め、近年は割合が増えています。これは、「DTPエキスパートのカリキュラム」を社内の教育制度に位置付ける企業が増えているためと思われます。
また、日本印刷技術協会では2006年から、デジタルメディアの制作ディレクターを想定したクロスメディアエキスパート認証試験がスタートしました。この試験はメディア概論、経営概論、IT概論、クロスメディア、ネットワークとデータベース、デジタルコンテンツの6つの項目から出題され、学科試験と論述試験があります。
このほかDTPの国家検定としては、厚生労働省の技能検定制度にDTP技能検定があります。製版の職種の中で行われる「DTP作業」のことで、2級、1級に分かれ、受験資格としてそれぞれ2年以上、7年以上の実務経験が必要です。なお学歴、職業訓練歴、下級の技能検定合格などにより実務経験年数が短縮されるケースがあります。合格者には技能士の称号が与えられます。試験は実技試験と学科試験があります。
DTP検定はI種、II種、III種に分かれ、レイアウト、編集、デザインなどのオペレーション技術と知識を問うものです。I種は商業印刷物の作成を行うデザイナーやオペレータなど、プロフェッショナルが対象です。II種は企画・編集職や企業内広報職など、主にディレクションを行う人、印刷物発注者が対象で、III種はプレゼン資料などプリンタ出力する印刷物作成を行う人が対象です。I種は受験資格としてII種、III種合格者か2年相当以上の実務経験が必要となります。
2006/05/26 00:00:00