本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。

第25期DTPエキスパート認証試験 課題講評

1. 結果概要

 全受験者数は1,431人、筆記試験の合格者数は737人、課題の合格者数は935人。
 筆記と課題を合わせた最終的な合格者数は634人で合格率は44.3%でした。
 実技課題の内訳は以下の通りです。

選択課題
提出者課題合格者課題合格率
A携帯電話マニュアル
 128人
 109人
 85.2%
B・旅行パンフレット
1,022人
804人
 78.7%
C・自由課題
  39人
  22人
 56.4%

※課題を提出しなかった受験者242人中20人は筆記試験に合格しています。
 また、2人が提出要項違反(提出期限違反、名前・受験番号未記入のため採点不能)で失格となりました。

2. 課題の講評

 今回の課題Aは携帯電話マニュアル、課題Bの旅行パンフレットはロンドンでした。また、課題制作の手引きについては、課題A、B、C共通項目は印刷物、各課題項目はPDFデータとしていましたが、全面的にPDFデータでまとめCD-ROMに収めました。
 提出された課題のなかで、作品については全体的にレベルが向上し、合格ラインを下回るものは少なくなりました。しかし、不合格になった課題のほとんどは、制作ガイドにおいて「課題制作の手引き」の基本条件を守っていないものです。
 制作ガイドは、提出した作品のみの制作指示ではなく、改訂版(課題A)やシリーズ(課題B)として第三者が制作するために必要なレイアウトや紙面設計が必要であり、誰が作業しても一定レベルの品質を保ち、かつ効率よく制作できる設計に基づいた詳細設定を正確に分かりやすく伝えることが重要です。
 課題Aはレイアウトの基本となるフォーマットが不十分なもの、課題Bはテキストデータの増減やシリーズ化に対するレイアウト設計ができていないものが目立ちました。また、制作ガイドにおいて、クライアント名が異なっているなど今回の課題データを使用していないと判断されるものや、出来上がった作品のキャプチャを指定に使用しているものは条件違反で不合格になりました。作品はもちろん制作ガイドにおいても間違いのない正確な記述が必要です。
 いずれにしても、「課題制作の手引き」をよく読むことによって問題は解消されます。

(1)設計
 レイアウトは単なるパーツの配置ではありません。シリーズ化、テキストデータの増減、標準化、効率化などを考慮した上で、設計者がどの部分を強調して各要素を配置するかという紙面設計が大切です。 また、紙面設計にグリッドを活用することも有効な手段となります。制作ガイドにおいて、数値による各パーツの座標指示だけではなく、紙面構成の方針が理解しやすいレイアウト設計図(ラフレイアウトなど)は、制作過程が分かる重要なものとなりますので、必ず図示してください。

(2)要素
 受注内容や仕様において、クライアント名やサイズ、色数などの基本項目は正確な記述が必要です。
 また、制作ガイドの要素として減点の対象になったものは、各パーツについての組版指示や、パーツ配置についての記述が不足しているものでした。今一度、第三者が継承して制作するという立場を考慮した制作ガイドづくりが必要です。

(3)課題の要件

 課題制作における想定や要件、配布するデータ(CD-ROM)は毎回変更されています。課題制作の手引きをよく読んで間違いのないよう取り組んでください。
 また、他受験者や過去受験者の提出物と同様(複製)と判断されるものや、旧データを作品または制作ガイドに使用した課題は条件違反となり不合格です。

不正コピーは作品だけでなく「制作ガイド」にも適用されるのでご注意下さい。

 ◆不正コピーおよび旧データの使用禁止について

 

| 閉じる(DTPエキスパートTOP) |

2006/05/12 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会