重要性が増すCTP時代の品質管理(研究会速報)
■CTP検版を効率化する高速モノクロプルーファ
株式会社セイコーアイ・インフォテック 東京営業二課 係長 山口 和之 氏
当社はCAD/GIS用プロッタやスキャナ,大判グラフィック用プリンタの開発・製造、販売を行っている。
印刷会社を取り巻く環境を見るとCTP導入はしたもののCTPシステムの問題点がある。とくに,検版やプルーファがボトルネックになり,業務改善がすすまなかったり,ランニングコストが高い等の問題がある。具体的には,出力スピードが遅く,文字品質が悪いなどの項目があげられる。
当社が提案する大判モノクロプリンタ(LP-1010)を利用することにより,業務改善が実現すると考えられる。たとえば,モノクロ原稿の検版,面付けの確認,文字校正などに効果を発揮する。
ランニグコストの削減では,インクジェットの1/4,DDCPの1/40を実現し,出力スピードにおいては,インクジェットの20〜30倍が可能である。さらに,にじみがない文字品質が得られる。
事例として,株式会社宗美様,宝印刷株式会社様,山浦印刷株式会社様において,CTPの生産能力(70版/時間)に対応するページ物の校正出力待ちのボトルネックや,CTP化によって青焼き校正が取れない等の課題を解決した。
■CTP時代の品質管理
株式会社メディアテクノロジージャパン 販売戦略部 副部長 原 正久 氏
CTPワークフローは,従来工程と違い工程数が少ないこともあり見落としなどのヒューマンエラーの増加につながるケースがある。品質管理上の阻害要因としては,DTP入力側のミスが多く,品質より時間(納期)という意識も高くなってきている。また,コンテンツのハンドリング(フォント,画像,DTPソフトのバージョン)やオペレータのスキルに格差があり,RIP処理結果などは100%保証されないことも要因となっている。
ワークフローRIPTrueflow3による品質管理として,プリフライト機能(画像レゾ,RGB画像,フォント,ヘアライン等),PDF/X−1a,PDF/X-3への対応がある。センターRIPによって各出力機にファイル供給することにとり出力結果安定する。電子フィルム「OutlinePDF」による中間ファイル運用により,協力会社等に対応でき印刷事故防止にもつながる。
デジタル検版システム「ProofEyeMe」は,RIP済みデジタルデータ比較の自動処理装置で,印刷事故の未然防止,ISO取得,信用回復,合理化などの動機から導入されている。モニタ表示やプリンタ出力により,文字だけでなく写真の相違や平網の変更なども対象になる(1%の網変化も検出)。また,ヒューマンエラーの分析にも使用できる。Trueflowに組み込まれるデジタル検版システムとして,ジョブチケットベースの自動運用「RiteInspect」がある。
品質管理のための提言として,作業のルートをたくさん作らないこと,任せられるものは機械やソフトに処理させることが重要である。
2006/05/17 00:00:00