色校正ワークフローを革新するモニタープルーフ(研究会速報)
■海外のトレンドに見る校正の変化とKodakのソリューション
クレオジャパン株式会社 マーケティング部 マネージャー 郡 正也 氏
2005年11月に調査した北米におけるハードプルーフシステム設置台数では、主流はインクジェット方式(47%)であり、電子写真(トナー)方式(43%)が続き、網点プルーフ、アナログプルーフ(フィルム)は減少した。
ハードプルーフとモニタープルーフを比較すると81%:19%(専用アプリケーション、PDF校正含む)であり、モニタープルーフのほとんどはカラーマネジメントされていない。
トレンドからの考察は、ハードプルーフは全体として減少傾向である。カラーマネジメント対応モニタープルーフの普及はこれからである。モニタープルーフは、コストよりスピード(時間)重視であり、多品種小ロット化や納期短縮への要求への対応である。
Kodakモニター&リモートプルーフのRealTimeProof(ASPタイプ)は、関係者全員でデータを共有し、時間・場所を問わず、インターネット接続環境さえあればモニター上での校正作業、進捗確認が可能になる。
モニター&リモートプルーフの特長は、インターネットを活用したオンライン・コラボレーションが可能となり、校正作業に携わる関係者共有のワークスペースとして利用することでリアルタイムなコミュニケーションすなわち地理的・時間的制約を解放する。
Matchprint Virtualプルーフィングシステムは、モニター上での色校正作業(印刷色シミュレーション)により、校正プロセスのより一層の効率化、スピードアップにつながる。そこでは、Kodak独自の技術による印刷色シミュレーションが活用されている。
また、PressProofによる印刷現場でのモニタープルーフにより、色見本用途として使用できる。
その他、校正作業の効率化、業務改善ツールの導入事例として、佐川印刷株式会社(京都)や東和印刷株式会社(大阪)がある。
■モニタープルーフの運用実績と課題
富士フイルムグラフィックシステムズ株式会社 技術二部 課長 清水 純一 氏
当社の2005年のプルーフ導入実績では、PRIMO JETを中心としたインクジェットプリンタ関連が81%であった。やはり、ハイエンドDDCPからインクジェットにシフトしているようである。プルーフ導入台数では、インクジェット76%に対し、モニタープルーフは18%と以外に多かった。
当社では、i-ColorQCモニタープルーフによるカラーマッチングサービスを行っている。これは、Color Quality Controlすなわち色に関する品質管理であり、色を数値化・標準化し、管理する技術である。
i-ColorQCプログラムは、色基準づくりスタートパック、カラーマッチング、入力診断、教育などがある。高精度カラーマッチングにより部分最適から全体最適を目指すものである。
モニターマッチングの目的は、RGB画像(デジタルカメラ撮影)の確認、CMYK画像の確認などモニター上で簡易色校正を行うものである。
モニターカラーマッチング技術は、設置環境に対する高い適応力や優れたカラーコレクション機能で高精度なカラーマッチングを実現する。
モニタープルーフ運用効果は、制作段階のモニターで画像品質チェックが行えるので、DDCP出力確認回数が減るなどのコストダウン、短納期、作業環境の改善などがある。
モニタープルーフの役割は、品質保証(自工程の保証と次工程の承認)、印刷色見本(印刷品質管理の基準)、コミュニケーションツール(相互確認と指示伝達)がある。自社でけではなく、たとえばクライアントにもメリットが共有できればより広がりを見せるだろう。
2006/06/15 00:00:00