[コミュニケーションと印刷ビジネス]5-6-5 社会課題と印刷
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近年環境や人権をはじめとした社会課題に対する意識が国際的に高まり、印刷業を含むあらゆる産業にも各種対応が求められる傾向にある。
SDGs
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国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)は、世界の抱えるさまざまな社会課題に対し、達成すべき17のゴールと169のターゲットを設け、解決を目指すものである。政府、官庁自治体、経済団体、企業等の活動指針や、商品・サービスを利用する生活者自身の意識の変化にもつながる取り組みである。
環境視点のサプライチェーンマネジメント
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印刷会社にとっては、顧客企業がサプライチェーン一体のSDGs活動を方針としている場合、用紙やインキ、加工製本材料などの印刷資材や、印刷製造工程における有害物質の削減、省資源、再生可能エネルギーの利用などにも影響する課題となっている。
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CO2削減に向けた動きとともにエコに通じる紙の選択が増えている。代表的なエコ用紙には、原料管理に対応した用紙、リサイクル用紙(再生紙)、非木材系用紙などがあり、活用が進んでいる。
カーボンオフセット
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カーボン・オフセットとは、企業活動や商品製造等によって排出される温室効果ガス(二酸化炭素)のうち、どうしても削減できない量の全部または一部を、他の場所での排出削減・吸収量で埋め合わせする仕組みである。発生してしまった二酸化炭素の量を何らかの方法で相殺し排出を実質ゼロに近づけようという発想である。
人権
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コンテンツ制作・表現においては、特定の集団に対する表現や、宗教・民族的背景に関連する表現など、慎重な対応が求められる。