【クロスメディアキーワード】オープンソース
クロスメディアキーワード【第11回】
オープンソースは、無料でソースコードやプログラムが入手できるということを意味しているだ けではない。オープンソースに関する定義は、Open Source Initiative(OSI)により策定されている。OSI認定を受けるためには、以下の頒布条件が定められている。
1. 再頒布の自由
「オー プンソース」であるライセンス(以下「ライセンス」と略)は、出自の様々なプログラムを集めたソフトウェア頒布物(ディストリビューション)の一部とし て、ソフトウェアを販売あるいは無料で頒布することを制限してはならなない。 ライセンスは、このような販売に関して印税その他の報酬を要求してはなららない。
2. ソースコード
「オープンソース」 であるプログラムはソースコードを含んでいなければならず 、コンパイル済形式と同様にソースコードでの頒布も許可されていなければならない。何らかの事情でソースコードと共に頒布しない場合には、 ソースコードを複製に要するコストとして妥当な額程度の費用で入手できる方法を用意し、それをはっきりと公表しなければならない。方法として好ましいのは インターネットを通じた無料ダウンロードである。ソースコードは、プログラマがプログラムを変更しやすい形態でなければならない。意図的にソースコードを 分かりにくくすることは許されず、プリプロセッサや変換プログラムの出力のような中間形式は認められない。
3. 派生ソフトウェア
ライセンスは、ソフトウェアの変更と派生ソフトウェアの作成、並びに派生ソフトウェアを元のソフトウェアと同じライセンスの下で頒布することを許可しなければならない。
4. 作者のソースコードの完全性(Integrity)
バ イナリ構築の際にプログラムを変更するため、ソースコードと一緒に「パッチファイル」を頒布することを認める場合に限り、ライセンスによって変更された ソースコードの頒布を制限することができる。ライセンスは、変更されたソースコードから構築されたソフトウェアの頒布を明確に許可していなければならない が、派生ソフトウェアに元のソフトウェアとは異なる名前やバージョン番号をつけるよう義務付けるのは構わない。
5. 個人やグループに対する差別の禁止
ライセンスは特定の個人やグループを差別してはならない。
6. 利用する分野(Fields of Endeavor)に対する差別の禁止
ライセンスはある特定の分野でプログラムを使うことを制限してはならない。 例えば、プログラムの企業での使用や、遺伝子研究の分野での使用を制限してはならない。
7. ライセンスの分配(Distribution)
プログラムに付随する権利はそのプログラムが再頒布された者全てに等しく認められなければならず、彼らが何らかの追加的ライセンスに同意することを必要としてはならない。
8. 特定製品でのみ有効なライセンスの禁止
プ ログラムに付与された権利は、それがある特定のソフトウェア頒布物の一部であるということに依存するものであってはならない。プログラムをその頒布物から 取り出したとしても、そのプログラム自身のライセンスの範囲内で使用あるいは頒布される限り、プログラムが再頒布される全ての人々が、元のソフトウェア頒 布物において与えられていた権利と同等の権利を有することを保証しなければならない。
9. 他のソフトウェアを制限するライセンスの禁止
ライセンスは、そのソフトウェアと共に頒布される他のソフトウェアに制限を設けてはならない。例えば、ライセンスは同じ媒体で頒布される他のプログラムが全てオープンソースソフトウェアであることを要求してはならない。
10. ライセンスは技術中立的でなければならない
ライセンス中に、特定の技術やインターフェースの様式に強く依存するような規定があってはならない。
例題
オープンソースにおけるOSI認定の頒布条件に関する記述として最も不適切なものはどれか[解答群]から選べ。
ア オープンソースソフトウェアとともに頒布される他のソフトウェアについては、すべてオープンソースソフトウェアでなければならない。
イ ライセンスは、ソフトウェアの変更と派生ソフトウェアの作成、並びに派生ソフトウェアを元のソフトウェアと同じライセンスの下で頒布することを許可しなければいけない。
ウ ライセンスはある特定の分野でプログラムを使うことを制限してはいけない。例えば、プログラムの企業での使用や、遺伝子研究分野での使用を制限してはいけない。
エ プログラムに付随する権利は、そのプログラムが再頒布された者すべてに等しく認めなければならず、追加的ライセンスに同意することを必要としてはいけない。
[解答群]
①ア ②イ ③ウ ④エ
[解答]
①ア
※本ページの内容は掲載当時(2014年1月6日)のものです。