クロスメディアエキスパートの必要性

掲載日:2016年7月12日
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クロスメディアは、既に一般的な用語となった。コンバージェンスの視点や、メディアミックスとクロスメディアの違いから、言葉の定義も含めたクロスメディアの進化について考察する。

メディアのコンバージェンス

コンバージェンス(Convergence)を「収束」や「集中」と直訳することで、様々なもが1つに集約されると考えられる傾向がある。メディアにとっ てコンバージェンスとは、様々なメディアが融合することで、ビジネスモデルに変化をもたらし、収益構造の進化が期待できることも意味に含まれる。

テレビ放送や新聞は、経営母体が同一である傾向がある。テレビ放送や新聞にとって、両者共に取材記者が必要となるが、取材記者は兼任できるのではないかといった考え方に、コンバージェンスが存在する。

従って、様々な情報の発信源が共通化される可能性が高まる。様々なデジタルメディアの普及により、流通する情報が細分化され、多様なものが登場している。 それらの発信源を共通化し、コントロールしていくといった意味合いが、メディアにとってのコンバージェンスに含まれる。

クロスメディアエ キスパート認証制度は、コンバージェンスが社会に浸透することを前提とし、必要な能力や技術を体系化することから始まった。メディアの多様化により、クロ スメディアを考慮したソリューション能力の育成が必要である。実際には、メディアを活用したプロモーションに相当する場合が多くなる。プロモーションで は、予算を含む適切な計画が重要視される。

クロスメディアエキスパート認証制度では、プロモーションだけではなく、メディアを活用する 様々な場面で活躍ができる人材の育成が目的となっている。メディアを利用する組織は多肢に渡り、必要不可欠なものとしてペーパーメディアやデジタルメディ アが使われている。それらのメディアにとってコンバージェンスは、避けて通れない方向性であると考えられる。

クロスメディアとメディアミックス

クロスメディアとメディアミックスの違いは、様々なメディアの役割や特徴、その変化に対応する差異から捉えることができる。特にデジタルメディアの場合、インターネットの活用がビジネスモデルの変化を促す要素として重要視される傾向がある。

ビジネスモデルの構築へ

IT(Infomation Technology)の活用は、コンピューターによる処理が前提となり、人間による処理を極力避け、自動的に処理を行う流れと考えられる。 DTP(DeskTop Publishing)で例えると、これまで人手により頁単価で行っていた作業をサーバーとデータベースを介した自動組版で置き換えることで、ワークフ ローやコストモデルが大きく変化する。WebコンテンツのCMS(Content Management System)化についても、あてはまる事例である。

ネットワークの発展より、インターネット中心に、モバイル端末がメディアとして普及 し、ホットスポットによる公衆無線LAN環境も一般化した。別の表現では、「ユビキタス化が進行している」と表すことができる。ユビキタスの「いつでもど こでも」といった方向性は、スマートフォンを中心としたモバイル端末により実現されているが、ICタグやクラウドサービスも含め、様々なコンピューターに よる処理が「いつでもどこでも」を支えている。

メディアとは、「コンテンツの入れ物」と考えることが、本質を掴むきっかけになる。デジタ ルメディアの例では、コーポレートサイトやブログ(Blog)、SNS(Social Networking Service)など、運営形態が異なっていても、閲覧者とって同質のものと捉えられる傾向があり、際限なく様々な様式のコンテンツが登場し、メディアの 種類も増加する。コンテンツ制作の視点では、メディアが流動的になる変化により、困惑を生じている。

ソリューションに必要な能力は、時代 を超越した普遍的なものが必要であるが、加えて、大きく変化しつつある要素を考察し、巧妙に要素を活用することが重要になる。新技術に伴うコストや、サー ビスの提供価格などは、ITによる自動化が進むことで、下落する変化がメディアを取り巻く環境で起こると予想ができる。

したがって、流動 的な社会環境に翻弄されないため、メディアやITに関するリテラシーを持ち合わせていない場合、継続的なビジネスモデルの発展を望むことは難しい。プロ モーション手法の大きな変化に目を奪われるが、一歩先のビジネスモデルの構築を想定し、クロスメディアエキスパート認証制度のカリキュラムや試験内容は、 検討されている。

資格制度事務局

 

※本ページの内容は掲載当時(2013年10月)のものです。