新年のご挨拶

掲載日:2017年1月1日

新年明けましておめでとうございます。

tsukada

昨年の世界経済を振り返ってみると、6月にイギリスがEUからの離脱を決定し、世界を驚かせました。さらに11月には米国の大統領選挙でドナルド・トランプ氏が勝利し、これまで自由主義経済の旗手であった両国が内向的な政策を打ち出しそうです。

日本経済は円高が進行し企業業績も悪化していましたが、トランプ氏の勝利後、一転ドルの独歩高となり、円安、株高で年末を迎えました。しかし今後の不透明感は否めません。

そのような経営環境下ではありましたが、drupa2016で展示されたようなデジタル印刷機が徐々に市場に浸透し始めました。書籍印刷や一般の商業印刷、パッケージや軟包装の分野でのアプリケーションとして、B1やB2のリキッドトナー機や、枚葉や輪転のインクジェット機が設置されるようになりました。

従来の設備とサービスだけでは新しい市場を開拓できないので、各企業の判断のもと、新たなチャレンジとしてそうした設備の導入が始まったと思われます。企業の経営者の勇気ある決断に拍手を送りたいと思います。

「未来は予測できない」とはピーター・ドラッカーの言葉ですが、現代のようにボラティリティーの高い時代には、従来のポジションにとどまっているだけというのでは未来は難しく、企業はいつの時代でも「成長」が必要です。

IMF専務理事のクリスティーヌ・ラガルドさんはCNNのインタビューに答えて母親から教わった“Everything is better with butter”をまねて“Everything is better with growth”と言っていました。しかしながら先進国のほとんどがかつてのような成長が難しくなって、日本も国内は消費が伸びず昨年秋以降は値下げや閉店のニュースも多くなり、再びデフレの社会に戻ったような感じです。今年の春は設備投資の促進に何らかの手が打たれるのでしょうか?

さて、2月のpage2017のテーマは「ビジネスを創る」です。JAGATでは書籍『未来を創る』を出版し、企業がどのような未来を作りたいのかというビジョンの策定にフォーカスし、各地の大会やセミナーを通じて未来のビジネスの可能性を探ってきましたが、今年は次のステップとして現実にどのようにビジネスを創るのかです。

例年、pageは様々なデジタル印刷機が展示されますが、そうした機械と親和性が高いダイレクトメール、広くはダイレクトマーケティングについて取り上げました。この分野では先を行くアメリカからダイレクトマーケティングの大家をお呼びし基調講演とするなど、産業の機械としての生産性を備えたデジタル印刷機による主要なビジネスについて研究する機会を提供致します。

今年もまた多くの皆様のご来場をお待ちしております。

 

公益社団法人 日本印刷技術協会
会長 塚田 司郎