「鉱工業投入調査」によれば、印刷産業の平均費用構成は、外注加工費が最も大きく、労務費/人件費、直接材料費の順となります。(数字で読み解く印刷産業2017その2)
2011年基準の「平成26年延長産業連関表」公表
「平成26年延長産業連関表」が経済産業省より3月30日に公表されました。産業連関表とは産業間の結び付きをマトリックスにした統計で、商品の費用構成や販売先を一覧できるものです。
産業連関表(基本表)は10府省庁共同事業として5年ごとに作成されていて、この基本表をベンチマークとして直近の産業構造などを推計したのが延長産業連関表です。
基本表の最新版は「平成23年(2011年)産業連関表」(2015年6月16日公表)で、2011年基準の延長表としては、昨年4月公表の平成25・24年表に次いで2回目となります。
JAGAT刊『印刷白書』では2010年版から、産業連関表を取り上げています。印刷産業と他の産業の取引や、印刷物・サービスの流れを読み取ることで、日本国内の印刷需要や、その波及効果などを見ることができるからです。
産業連関表の基礎資料となる「産業連関構造調査」
産業連関表の基礎資料として、10府省庁が行っている既存の統計調査が収集されていますが、不足する部分に関しては、「産業連関構造調査」を各府省が必要に応じて行っています。
経済産業省の分野では、工業統計調査、経済産業省生産動態統計調査などが利用されていますが、「産業連関構造調査」として鉱工業投入調査、資本財販売先調査などが実施されています。
産業連関表は縦に見ると投入額(原材料等の購入額)、横に見ると産出額(各産業への販売額)がわかるのですが、鉱工業投入調査は投入額の推計に利用されます。
「平成27年産業連関構造調査(鉱工業投入調査)」の結果から、2014年の印刷産業の平均費用構成を見ると、外注加工費が57.05%と最も大きく、次いで労務費/人件費が12.98%、直接材料費が11.73%となっています。
『印刷白書』では印刷産業に関連するデータを網羅し、図表を中心にわかりやすくまとめています。毎年1年分更新した統計データを提供するというだけではなく、よりわかりやすく役立つ情報にするためにどうすればいいか模索しています。
現在執筆準備を進めている『印刷白書2017』でも、質量ともに充実した内容にしたいと考えています。
(JAGAT 吉村マチ子)