新たな付加価値で差別化するWeb受注ビジネス

掲載日:2017年6月29日

印刷通販のメインプレイヤーが決まりつつあるなかで、中小印刷会社が印刷通販ビジネスに取り組むには、価格競争以外の新たな付加価値で差別化していく必要がある。

革新的な手法で低価格を実現し、高い成長性と収益性で拡大し続けてきた印刷通販市場は、拡大傾向を保ちつつも、いよいよその成長が鈍化してきた。

既にメインプレイヤーが決まりつつあるなかで、中小印刷会社が印刷通販ビジネスに取り組むには、価格競争以外の新たな付加価値で差別化していく必要がある。

最近では特定の商品に特化してサービスの質を高め、印刷の受注とともに付帯品の販売を行うなど、印刷通販会社ごとの棲み分けが進んでいる。

冊子印刷専門通販サイト「キョウユウ」

東京 新宿区にある協友印刷は、総合印刷業とインターネットメディア事業を手掛ける創業46年の印刷会社である。

冊子印刷に強みがあることから、2014年に冊子専門通販サイトの「相談できる 冊子印刷のキョウユウ」を立ち上げた。

タイトルに「相談できる」をつけるとは珍しい。

また、サイトを見ていただくと分かるが、同社のサイトは印刷仕様や価格を前面に出すのではなく、「お客様の困りごとをサポートします」「安心して買い物をしていただきたい」というメッセージが伝わってくる。

私たちも「冊子の印刷」を協友に“相談”しました

こう始まる事例集には全部で21のユーザーインタビューが掲載されている。
一つ一つの事例の最後には、かなり目立つ大きさで問い合わせ先を明記。

「あまり印刷に詳しくないお客様」「初めて印刷物をつくるお客様」を対象に、安心して発注できるサイト設計を心掛け、お客様の裾野を広げている。

発注までの壁を低くし、新規顧客の獲得数や相談回数を増やすことで、獲得した顧客がリピーターになる可能性は高くなっていく。

印刷通販のメインプレイヤーは定着しつつある。やみくもに印刷通販に取り組むのではなく、自社の強みを洗い出し、その中から付加価値を見つけ差別化の武器としたい。

成長を遂げている印刷会社に共通していることは、顧客に役立ちたい、貢献したいという想いを、経営者も社員も全員が持っている会社である。

成功のチャンスは身近にある。
自分たちの強みは何なのか?お客様にどんな貢献ができるのか?
いま一度考えてみたい。

(研究調査部 小須田紀子)

 

関連セミナー
2017年7月27日(木) 14時~
印刷会社が取り組む Web受注ビジネス最新動向
(構成)
①「PRINT TOOL BOX」の取り組みについて
(オーワイシー 株式会社) 
②相談できる冊子印刷通販「キョウユウ」の取り組み(協友印刷株式会社)
③「商品特化型サイト」の多店舗展開ビジネスについて(大洞印刷株式会社)