改善活動での気づき
経営幹部と工場マネージャーの連携
工場は、印刷会社の利益の源泉であり工場の改善活動は重要課題の一つだ。経営方針を決断する経営者と管理実行する工場管理者が固い絆で結ばれていなければ互いの判断を狂わせてしまう。特に改善活動は、日常活動を矯正しなければならないので現場での反発は常である。会社組織としての理解が重要だ。また、改善活動は、経営戦略と連携していなければならない。
■利益を生み出す工場改善とリーダーの必要性
マーケティングでは、如何に売れる製品開発としくみづくりが課題となり、営業では如何に売上げUPが課題である。印刷工場が利益を出すということは、印刷機の稼働率を上げることだ。稼働率を上げるということは、ムダをなくすというになる。ムダを無くすということは、工場の運営に係わる人件費・資材費・加工費などの見直しによる、コスト削減をすることだ。
改善活動は、日々の業務が忙しくて先延でいつまでも課題が改善できない悪循環が続くことがある。推進するリーダー不在によることがほとんどだ。現場の改善活動においては、リーダーの果たすべき役割が非常に大きい。そのリーダーは、経営戦略や財務を理解し、工場改善を推進する必要がある。組織では、リーダーを決め、育てることは不可欠だ。
■リーダーが意識して取り組む改善活動
改善活動の効果的な取り組みとして5S活動の推進がある。5S活動は、身の回りの整理、整頓を通じて、仕事のバラツキをなくして、品質と生産性を高めるために有効な手法だ。改善のイロハを習得し、標準化、創造性開発にも役立つ。組織力・チーム力を高めることにも効果を発揮する。そもそも5Sとは、作業のムリ・ムラ・ムダを無くし、バラツキを無くし、戦略的に工場改善を行うものだ。お掃除活動ではない。その先には、戦略的な環境経営への取り組みも見えてくる。工場改善のリーダーシップは、意識して力を入れなければ成果は出ない。何故ならば、日常を変えるのだから強力な意識と自覚が必要だ。経営として意識することは、工場におけるリーダー育成だ。工場リーダーは、専門能力に加えリーダーとしての心構えとスキルが必要だ。経営者は、社員に対してその資質を見抜き育てることが重要で、信じて託すことが肝心だ。 工場改善の成功事例のほとんどは簡単には行かない。
JAGAT主催の工場マネージャー養成講座では、
受講者アンケートの中に、『「まねるのではなく、自社流に考える」この言葉が非常に強く印象に残っています。成功事例は、自社流・自分流にアレンジしていくことの大切さを改めて感じました。』とあった。改善活動は、改善策を構想し、時間と忍耐力で組織をまとめやり抜く力が必要なのだ。その原動力はリーダーシップがカギを握っている。経営者と工場管理者が固い信頼関係で取り組むことが礎となる。 JAGATの第4期工場マネージャー養成講座も重要性を増していくと考えられる。
( CS部 古谷 芸文)
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■【工場マネージャー養成講座第4期】